NBA Watcher 【毎週投稿】

NBAの歴代選手や歴代チームの紹介などをするブログです。

【チーム分析】今年こそウォリアーズは強豪として復活できるのか?

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ケガに悩まされた王者たち

ウォーリアーズは知っての通り2015年の優勝をきっかけにそれからのNBAを支配していたチームです。しかし2019年のプレイオフでカズンズのケガに始まり、デュラントとトンプソンの大ケガによってチームはオフにデュラントを失い、トンプソンはリハビリ中のケガで2年連続シーズン全休しその間エースとしてカリーが踏ん張るもののチームの成績は振るわない状態が続いていました。

では、そんなウォリアーズの今シーズンは強豪として輝きを取り戻すシーズンになるのでしょうか。今回はウォリアーズの補強や戻ってくる選手を見て分析していきます。

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戻ってくる選手たち

ウォリアーズにはケガから復帰するトンプソンとイグダーラのダイナスティーを支えた2人の選手がチームに戻ってくることになりました。ここではそれらの選手たちをそれぞれ分析していきます。

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2つの大ケガを乗り越えて復帰するトンプソン

トンプソンは2019年のファイナルでACL断裂の大ケガを負い次シーズンを全休しましたが、復帰に向けてのリハビリ中に今度はアキレス腱を断裂してしまい2年連続でシーズンを全休することになりました。2年連続のケガを見てファンたちは彼が復帰したとしてもパフォーマンスが大きく低下しているのではないかと心配していましたが、僕個人的にはあまりトンプソンのケガはそんなに心配することではないのではと思っています。

トンプソンは同じSGでもビールやハーデンのようにドリブルを数回ついてサイズアップしてからオフェンスを展開するような選手でもありませんし、ラヴィーンのように身体能力を活用したプレーをする選手でもないことから、彼のプレーにはそこまでケガは影響してこないのではと考えています。

自分で動きをコントロールできないディフェンスの面ではケガの影響を感じることもあるかもしれませんが彼はもともとオールディフェンシブチームに選ばれたこともあるようなディフェンダーだったので多少ディフェンスに影響が出ても平均以上のディフェンダーとしてチームに貢献することはできるでしょう。

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2015年優勝の立役者のイグダーラ

2015年ベンチプレーヤーからスターターにプレイオフで役割を変更されたことでスタートして輝いていたころの輝きを取り戻しレブロンを1人で止めたことが評価されてファイナルMVPになったイグダーラ。ウォリアーズのダイナスティーをベンチから支え続けた大ベテランですが、2年間の修学旅行(グリズリーズとヒート)を経て再び自分の場所に戻ってきました。

もう37歳になってそろそろ引退を考えても良い年齢になったイグダーラは最強チームの最強控え選手として活躍していたころのパフォーマンスを発揮することは難しいかもしれませんが、ヒートでのプレーを見る限りサポート選手としてのディフェンス力と視野の広さは健在でしたので復帰を図るウォリアーズには絶対的に必要な選手でしょう。もしプレーで貢献することができなくてもベテランとしての経験値を活かして同じポジションで才能ある選手(オットー・ポーターやアンドリュー・ウィギンズ※後述)のメンターとしてチームにおいておくだけでも十分でしょう。

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チームに新しく加わる若手とすでにいる若手

ウォリアーズは経験豊富なベテランと才能ある若手が集まるチームになりました。スターはカリーのみ(ケガからうまく復帰すればトンプソンもスター?)ですが、ウィギンズやポーターJr、昨年ドラフトされたワイズマンなど今一つ開花才できていない才能が集まるチームとしてポテンシャルが高いチームとも言えます。ここではその若手について分析していきます。

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才能面では最強レベルのウィギンズ

恵まれた体格と才能をもったウィギンズは古巣のウルブズでは才能を活かしきれずドラフト1位選手として、残念な選手になりかけていました。ウォリアーズでは昨年オフェンス面では大きな成長は見られませんでしたがディフェンスで大きな躍進を遂げました。この調子でオフェンス面でもチームプレイヤーとして成長することができればウィギンズはカリー引退後のエースとしてチームを任せることができるほどのポテンシャルを持っています。

すでに年齢が若手とベテランの中間地点になっているので正直残されたチャンスと時間は少ないですが、ウォリアーズに来てからの成長速度を考えるとここ数年で1番成長環境が整っているウォリアーズであればウィギンズは殻を破ることができるかもしれません。

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1年目を期待外れのシーズンにしてしまったワイズマン

昨年のドラフト組で最強のビッグマンとして評価されていたワイズマンは外から攻めることができ、軽やかなフットワークも踏めることを評価されてウォリアーズに2位指名を受けましたが、大学時代で見せた活躍と才能をNBAの1年目では見せることができないシーズンとなってしまいました。

期待外れのシーズンを過ごしたワイズマンですが活躍した試合では将来のKATやエンビードになる可能性を感じさせてくれたような試合もありました。軽やかなステップはエンビードを見ているように感じましたし、現代のNBAビッグマンには大切なリムプロテクト力の片鱗も見せてくれました。

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実力とサラリーが見合わない選手として評価されてきたポーターJr

ここまで分析してきた若手の中で1番才能を開花されているポーターJrですが、そのサラリーの高さが実力とみあっているかと言われるとそうではないというところで評価が実力よりも低い選手でした。

彼はボールタッチが増えれば増えるほど活躍しやすい生粋のスコアラータイプの選手です。現在のウォリアーズにはデュラントのようなボールを預けられるスコアラーが不在なので、少し前の話になりますが2018~2019シーズンに約18得点を3PTとFGともに48%で決められていたポーターJrには同じような役割を期待できると思います。ウォリアーズはカリーとトンプソンによってドライブのスペースが広がっている状況が多くなるでしょうし、そんな状況であればデュラントレベルになる可能性は低いですが、ポーターJrのスコアリング能力が爆発することも期待できると思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。ウォリアーズにはほかにもフアン・トスカーノ・アンダーソンやジョーダン・プールのように才能を見せている若手が多く所属しています。彼らが船員開花することは難しいと思いますが、数人が開花すればカリーとトンプソン、そしてイグダーラが引っ張る今年のウォリアーズはプレイオフファイナルに出場する可能性は低いですがあると思います。また、優勝できるかどうかという話でなく強豪チームに慣れるかという話であればかなり確実性は高いと思います。

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【デュオ解説】黄金デュオに対抗したもう1つの黄金デュオ

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ブルズの黄金デュオに敗れたジャズの黄金デュオ

ブルズがジョーダンとピッペンの史上最強デュオを結成しリーグを支配していた時に彼らのライバル的存在のデュオとしてジャズで活躍したカール・マローンとジョン・ストックトンのコンビ。優勝という栄光をつかむことはできませんでしたが、ブルズの優勝ストーリーを語るときに必ずと言っていいほど話題に上がるこのデュオはどのような活躍や実績を残したのでしょうか。今回はジャズで活躍したマローンとストックトンの黄金コンビについて解説していきます。

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2人の出会い~デュオとしての躍進

1984年のNBAドラフトで全体16位指名されたストックトン1985年のNBAドラフトで13位指名されたマローンは同じチームに1年違いでドラフトされ、若いうちからプレーを共にしていました。マローンはドラフトされてすぐにチームの中心として2年目からは20得点以上を平均するような活躍を残していましたが、ストックトンは3年目のシーズンまでリッキー・グリーンという選手の控えとしてプレーしていたため本格的にマローンとのコンビを組むようになったのは4年目の1987~1988シーズンからでした。

ストックトンが先発としてマローンと多くのプレータイムを過ごすようになったこのシーズン、ストックトンのプレー時間は平均22分から34分に増え、マローンとのP&Rが増えたことで平均アシスト数は13.8本まで急増しました。マローンも平均得点が20点前後から30点前後を記録するようになり、マローンとストックトンのP&Rは止めることが難しいシンプルなのに止められないコンビ技としてリーグを支配することになります。

2人ともオフェンスもディフェンスも得意な選手だったので、オフェンスで相手を圧倒するだけでなくディフェンスでも相手を叩きのめすことができ、その証拠に2人ともオールディフェンシブチームに選出されています(ストックトンは2ndチーム5回、マローンは1stチーム3回)。

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黄金コンビの確立~コンビの解体

2人が必殺技のP&Rでリーグを席巻している間、2人はそれぞれでリーグの中でも屈指の選手として評価をされていました。ストックトンはキャリア通算で10回のオールスター選出と合計11回のオールNBAチーム選出(1st2回、2nd6回、3rd3回)され、マローンは通算で14回のオールスター選出と合計で15回のオールNBA選出(1st11回、2nd2回、3rd1回)されています。デュオとして合計で24回のオールスター選出と29回のオールNBA選出を記録しています(さすがに数字がバグりすぎて信じられない)。

このように個人としてもデュオとしても十分な強さを誇っていた2人ですが、意外にもプレイオフでは活躍の場が少なく初めてNBAファイナルに進出したのは1997年のことでこれはジャズのチームにとっても初めてのファイナル進出になりました。このファイナル進出前にジャズはチャールズ・バークレー擁するロケッツと対戦し第7戦までもつれる接戦を制してファイナルに進出したのですがその時にバークレーから「ストックトンは純粋なPGとして史上最強」とまで賞賛を受けています。しかしながらファイナルではこの年3ピートのうち2連覇目を達成するブルズに2勝4敗と内容的には競っていましたが地力の差と勝負強さを見せつけられる形で敗退し、1度目のチャンスを逃すことになりました。

そして翌シーズンの1997~1998シーズン、ストックトンが左膝遊離軟骨剥離除去手術を受けシーズン開幕から18試合欠場しましたが60勝22敗でブルズと同率リーグ1位の成績でプレーオフに挑み、2年連続出場となったファイナルで2年連続ブルズと対戦し、前年と同じ2勝4敗で敗退しました。

この頃にはストックトンもマローンも30代後半の年齢に差し掛かっており、これ以降はスパーズやレイカーズが強豪チームとして台頭してきたためNBAファイナルに進出することはありませんでした。2003年にはストックトンが引退し、その後にマローンは優勝を求めレイカーズに移籍し、ジャズのデュオは解散しました。

まとめ

いかがだったでしょうか。ブルズ最強のライバルとしてブルズに挑み続けた歴代最強レベルのデュオは優勝することができないまま2人とも引退するという結果になってしまいましたが、彼らの止められないP&Rは史上最高のコンビ技として語り継がれるでしょう。

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【選手紹介】才能にあふれたPF:クリス・ウェバー

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夢のようなPFクリス・ウェバーの悲しくも賞賛すべきキャリア

今回のバスケットボール殿堂入りでついに何度も選考から惜しくも落ちていた殿堂入りを果たしたウェバー。大学では1年ながらエースとして大活躍し、ルーキーながらスーパースターの風格を醸し出してNBAキャリアをスタートさせました。

しかしながら彼のキャリアはファンが思っていたような輝かしいものにはなりませんでした。しかし彼が歴史に名を遺すほどの選手であることは殿堂入りを果たしたことからも明白です。今回はそんなウェバーのキャリアについて解説していこうと思います。

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大学時代~ワシントン・ブレッツ時代

高校生の時から全米高校の年間最優秀選手に選ばれ、ミシガン州のミスター・バスケットボールにも選出されたウェバーはそのまま地元のミシガン大学に進学し、1年生の途中からスターターとして定着しそのままエースとしてNBAドラフトにエントリーする2年の終わりまで大学バスケ界のスターとしてプレーしました。ジョシュ・ハワード、ジェイレンローズなど1年生のみのスターターで通称「ファブ・ファイブ」と呼ばれたこのチームは最後までNCAAトーナメントを制することはできませんでしたが、大学で十分な実績と注目を集めたウェバーは1993年NBAドラフトで全体1位でマジックにドラフトされ、そのあとすぐに3位指名権でペニーを指名したウォリアーズとトレードされました。

1年目からウォリアーズの先発としてプレーし、17.5得点9.1リバウンド3.6アシスト2.1ブロックFG55.2%を記録し鮮烈なルーキーシーズンを送ったウェバーは新人王を受賞し、チームを50勝32敗の好成績に導きました。しかし、2年目にはHCのドン・ネルソンとの間で軋轢が生まれ不満を持っていたウェバーはトレーニングキャンプに参加しないなどチーム内を乱し、わずか1年でワシントン・ブレッツにトレードされることになりました。

そしてブレッツにトレードされたウェバーはチームに大学同窓のハワードがいたことで大学時代のような活躍をするのではないかと予想されましたが、キャンプ不参加が原因となったのか調子が思ったように上がらず平均20.1得点9.6リバウンド4.7アシストと思っていたほど数字が伸びず試合数も54試合と少なめなシーズンになりました。

3年目のシーズンには、23.7得点7.6リバウンド5アシストを平均しスタッツは伸びましたがこの年は肩のケガでわずか15試合のみのプレーに留まりました。そして迎えた1996~1997シーズン、ウェバーは20.1得点10.3リバウンド4.6アシスト1.9ブロック1.6スティールを平均し自身初のオールスターに選出されました。チームを9年ぶりのプレイオフに導きこの年初めて彼の能力がチームの成功につながることが証明されたシーズンになりましたが、プレイオフではジョーダンのいるブルズと対戦し悔しいスウィープ負けになりました。

自信は安定して平均20得点9リバウンド以上を平均しているのにチームが勝つことができない状況に不満を持っていたウェバーは1997~1998シーズンにもプレーオフを逃しついにトレードを要求し、キャリアの転機となるサクラメント・キングスにトレードされることになりました。

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サクラメント黄金時代~引退

そしてトレードでキングスに加入したウェバーは移籍1年目の1998~1999シーズンに今までプレーしたことのないタイプのPG、ジェイソン・ウィリアムスにより才能を引き出され大活躍しオールNBA2ndチームに選出され、リバウンド王にもなりました。チームをプレーオフに導き、2年連続でファイナルに出場していたジャズを破る番狂わせを起こしました。

次シーズン、ウェバーは27.1得点11.1リバウンド4.2アシスト1.7ブロックを記録しチームを55勝27敗に導きました。個人としてはオールスターとオールNBA1stチームに選出されMVP投票では4位になり素晴らしいシーズンを送りました。しかしながらプレーオフでは第2回戦でシャック&コービーのレイカーズにスウィープされ力の差を見せつけられました。

2001~2002シーズン、ウェバーはケガに悩まされ28試合のみの出場に留まり、それにもかかわらずチームは61勝を挙げたことによりウェバー不要論がささやかれるようになりましたが、この年も24.5得点10.1リバウンド4.5アシストを平均しオールNBA2ndチームに選出されプレーオフではカンファレンス・ファイナルに出場しました。ここでは2年連続でレイカーズと対戦し3勝2敗でリードしていましたが、ここから後々発覚する八百長によってキングスは偏ったファールコールに苦しみ、逆転負けを喫しファイナルに進出することはできませんでした。

翌年、67試合に出場したウェバーは23得点10.5リバウンド5.4アシストを平均し2年連続でオールNBA2ndチームに選出され、チームもプレーオフに進出しました。しかし第2回戦でウェバーは左膝半月板を損傷しシリーズ復帰をすることはありませんでした。そしてこの翌年からウェバーのキャリアは落ち目になっていきます。

2003~2004シーズンには開幕から49試合を半月板損傷により欠場し、その間チームは好調なシーズンを送っていました。そしてこのチームの好調によりますますウェバー不要論が強調されることになりました。2月に復帰を果たしたウェバーでしたが、ブランクのせいからかミスを連発しプレーオフでも不調が続いたことでまたも第2回戦敗退の結果に終わりました。

そして次シーズン、46試合出場した時点でチームの中心をマイク・ビビーとペジャ・ストヤコビッチに任せることにしたチームはついにウェバーの放出を決定し、76ersにウェバーは放出されました。

76ersでウェバーはトレード後1年間は20得点を記録する活躍をしましたがチームがエースのアイバーソンを放出し再建に向かうとともにまだスターレベル前後で活躍できていたウェバーは不要になり、デトロイト・ピストンズに放出されました。そしてピストンズでもプレーはさせてもらっていましたが、必要とされなかったウェバーは古巣のウォリアーズと最低保証契約を結びましたが衰えを隠せず2008年に引退しました。

まとめ

いかがだったでしょうか。キャリアの輝かしい部分と落ち目の部分の落差があまりにも激しかったことで彼のキャリアはマイナスのイメージが強く残っているのも事実ですが冷静に彼の残した成績や受賞歴を見ると普通の選手には成し遂げられないことをしています。

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【チーム分析】昨シーズン中とオフに大型補強をしたシカゴ・ブルズは本当に強いのか?

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エース、ザック・ラヴィーンの期待に応えるためのチーム

2010年代にデリック・ローズがケガによって放出されてから、ドウェイン・ウェイドやレイジョン・ロンドがいたにもかかわらずチームは強豪として見られることはなく、それはミネソタ・ティンバーウルブズからトレードでザック・ラヴィーンという有望な若手を獲得してからもそうでした。

しかし今シーズンのブルズは今までとは一味違いチームに仕上がっており、プレイオフは確実、どこまで勝ち上がれるかという話がブルズを囲む話の中心になっています。では実際のところ今年のブルズはチームとしてどうなのか。今回はブルズの今年について分析と考察をしていきます。

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オフの補強の評価

ブルズはオフに大きめの補強をしたチームです。補強の中心はデマー・デローザンとロンゾ・ボール、そしてアレックス・カルーソです。ガードを中心に大きく補強をしたブルズですがその実態はどうでしょうか。まずはPGの視点から解説していきます。

ロンゾの評価

ロンゾはペリカンズでPGとしてレイカーズ時代と比べて大きく成長しました。アシスト能力やディフェンス能力はもとからある程度の評価を受けていましたが、レイカーズでは得点力、特に3PTとFTのシュート力が現代PGとしてなさすぎると言われていました。

ペリカンズではザイオンイングラムというディフェンスを引き付ける選手が周りにいたことが大きいかもしれませんが、平均得点を15点近くまで伸ばし、3PTを約38%、FTを約80%で決めることができるまでに成長し、あと一歩でスターに慣れるというところまで評価を上げました。

ブルズでもペリカンズと同じようにラヴィーンと後述のブーセビッチやデローザンという引力のある選手がいますので、同じような活躍、もしくは勢いに乗ってさらなる成長が期待できると思います。ケガをしやすいかもしれないことが心配ですが、コビー・ホワイトやカルーソなどの頼れる代わりのPGがいますので負担を分担しながらプレーでき、ケガも減るのではと考えています。

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カルーソの評価

もう1人のPGとしてブルズはカルーソをレイカーズから獲得しました。カルーソは「ボールド・マンバ」の愛称からわかる通りマンバにふさわしい身体能力を持っています。ロンゾとホワイトとは違うタイプのPGを獲得することができたのは非常に良い補強だったと思います。

カルーソは一昨年と昨年レイカーズで見せてくれたように、ベンチから安定した得点を量産してくれる優秀なベンチプレーヤーとして貢献してくれることが、1番大きなプラスポイントです。ロンゾやホワイトの控えプレーヤーとしての活躍にも期待できますし、若手のホワイトと同じように温厚な性格の持ち主のカルーソはホワイトをうまく成長させることができるメンター的存在(メンターとしては若すぎる気がするが)としてもチームに貢献してくれそうです。

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ラヴィーンを得点面で大きく支える補強

今年1番ブルズで大きな補強はスパーズからFAとして放出されたデローザンと契約をしたことです。契約は彼のプレースタイルや年齢を考えると少し高いかもしれませんが彼の得点能力とスパーズで成長したプレイメイキング能力はラヴィーンの負担を軽減しつつ、チームの成長にも大きく貢献するでしょう。ここからはデローザンの影響を細かく見ていきます。

高いスコアリング能力

デローザンはキャリア平均20得点以上を記録していてミドルレンジやドライブからの得点が得意な生粋のスコアラーですが、ドライブを使った得点という点でラヴィーンと役割がかぶっています。しかもデローザンは外のシュートが絶望的に苦手なのでラヴィーンとスコアラーとして共存するのは難しいように思えます。しかし、ラヴィーンやブーセビッチ、新加入のロンゾが外のシュートを打てますのでスペーシングの点でデローザンの加入が問題になることはなさそうですし、純粋な頼れるスコアラーの追加になったと思います。

スパースで伸びたプレイメイキング能力

デローザンはラプターズでプレーしていた時にはエーススコアラーとしてオフェンスの中心選手だったのでアシストされる側だったのに対し、スパーズでは若手を引っ張るベテランとしてプレーをしていました。その影響が大きいと思いますが、スパーズでは平均アシストが6アシスト位まで伸びました。

プレイメイキングをする能力というよりも自分のドライブやミドルレンジを活かしてディフェンスを引き付けた末のパスがアシストにつながるという形のアシストが多いので突然ブルズのチームプレイのレベルが上がるということにはつながらないかもしれませんが、間違いなく彼のアシストによってデローザンやロンゾなどの外を中心に攻めるプレーヤーの得点は増えるでしょう。

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チームの中心との相性

そのように得点力とディフェンス力を持ったPG2人を補強したブルズですが昨シーズンからチームの中心としてプレーした2人(ラヴィーンとブーセビッチ)との相性はどうなのでしょうか?

そもそもブーセビッチをブルズが獲得した理由としては、ラヴィーン以外のスコアラーがいないという問題とラヴィーンのためのスペースがないという問題の2つを解決するためでした。ブーセビッチはセンターとして最強クラスとはいわずともトップクラスの実力を持ちながらも外のシュートも打てるという万能プレーヤーであり、これによってブルズはスコアラーとスペースが足りないという問題が緩和されましたが完全に問題が解決したわけではありませんでしたが、それはデローザンの獲得によって解決されています。

ブーセビッチはディフェンダーとしては普通の選手であるためディフェンスが苦手なラヴィーンとの組み合わせの場合ディフェンスが心配になりますが、その問題はPG2人の補強で解決することができました。まだ安心できませんが、ロンゾもカルーソも40%前後で外のシュートが打ててスペーシングに貢献できますし、ディフェンスも平均以上でうまいのでディフェンス力の点でもプラスの存在として貢献できます。

まとめ

昨年足りなかった部分をしっかり補強出来たブルズは評判通りプレーオフ出場は固いチームだと思います。しかしカンファレンス・ファイナルやファイナルを戦えるほどの戦力にはまだなっていないと思います。今年はプレーオフで経験を積んで来シーズン予想以上に成長した場合、可能性は低いですがチームを維持出来たらファイナル進出も見えてくるかもしれません。

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【選手紹介】バスケットボールの神様:マイケル・ジョーダン②

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父の死と1度目の引退を乗り越えたキャリア後半の3ピート

1度目の引退前にも3ピートを成し遂げたジョーダンは父の死後野球選手に転身したのちに復帰をしました。そしてそこで有名な歴代最強チームの一角を作り上げキャリアで2度目の3ピートを達成しました。今回は1度目の引退~本当の引退までの解説をしていきます。

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電撃復帰~3ピート達成

1995年にジョーダンはブルズに復帰し世間を騒がせ、この年背番号を23番から45番に変えてプレーしました。ジョーダンはプレイオフ1回戦でシャーロット・ホーネッツを破り2回戦に進出しましたが、この年ペニーとシャックの黄金若手コンビを擁していたマジックに2勝4敗で敗れ悔しい復帰シーズンになりました。

そしてその悔しさをエネルギーにしたジョーダンは背番号を23番に戻し、以前のジョーダンに戻ったようなパフォーマンスを発揮しました。シーズンが始まると、歴代でも最高レベルのディフェンダーかつリバウンダーのデニス・ロッドマンが移籍、トニー・クーコッチとロン・ハーパーもチームをディフェンスや得点で支えブルズは歴代最高勝率を記録できるかもというレベルでプレーしていました。そしてこの年ジョーダンは平均30.4得点で得点王に輝き72勝10敗の当時歴代最高勝利数及び勝率を記録しました。プレイオフでも他を寄せ付けない試合運びで優勝しジョーダンは当たり前のようにファイナルMVPを受賞しました。

続く1996~1997シーズン、ブルズは69勝を記録し、プレイオフファイナルではカール・マローンとジョン・ストックトンのダブルエースが引っ張るユタ・ジャズと対戦しました。4勝2敗で少し危ない形で優勝を決めたブルズは2連覇を達成。ジョーダンもファイナルMVPをまた獲得しました。

次シーズン、HCのフィル・ジャクソンが今シーズン限りの退任を仄めかし、ピッペンとフロントとの関係が悪くなっていたことから最強ブルズの最終年になるのではという思惑がシーズン開始の時から噂されていました。ファイナルでは2年連続ジャズとの対戦となり、また同じ4勝2敗で優勝を決めジョーダンは2度目の3ピートを達成しファイナルMVPも受賞しました。そしてこの年ジョーダンはチームが解散になることを理由に2度目の引退を発表しました。

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再度の現役復帰~本当の引退

そして2度目の引退をしたジョーダンは2000年にワシントン・ウィザーズのオーナーとして新しいキャリアをスタートさせました。オーナーとしてジョーダンは初の高卒ドラフト1位指名選手のクワミ・ブラウンの指名に踏み切りました。

しかしながらチームの低迷が続いていたことを受けジョーダンは2001年に現役復帰を果たしました。2001~2002シーズンには39歳ながら平均23得点を記録しました。

翌シーズンも40歳ながら40得点を記録したり平均20得点以上を記録したりと神様にふさわしい年に見合わないパフォーマンスを残しましたが、2001~2002,2002~2003シーズンどちらもジョーダンの活躍もむなしくチームは37勝45敗でプレイオフ進出を逃し2003年にジョーダンは正式に引退しました。

まとめ

いかがだったでしょうか。バスケットボールの神様として引退するその時まで周囲を驚かせるパフォーマンスを見せ続けたジョーダン。彼の影響はのちのコービーやアイバーソンなどの出現やNBAというリーグをグローバルなものにしたことなど非常に大きなものです。

10回の得点王、9回のオールディフェンシブ1stチーム、5回のMVP、6回のファイナルMVP、3回のオールスターMVPなど数多くの実績を残したジョーダン。これから先彼を超す量の受賞歴を持つプレーヤーは出てこないのではと思わされるほど個人的にもチームとしても達成し続けたキャリアでした。

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【選手紹介】OKCサンダーの魂:ラッセル・ウェストブルック

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優勝だけがキャリアにない史上最高クラスのPG

ラッセル・ウェストブルックと言えば日本では西ブルやラスのニックネームで数年前によく話題になっていたOKCサンダーで活躍していた、現在レイカーズでスーパーチームの一員として今シーズンを迎えようとしているPGです。彼の強みはその圧倒的な身体能力と常に全力でプレーするそのエネルギーです。彼を史上最高クラスのPGとして評価する人は少なくないですが、唯一彼のキャリアに足らないものは優勝です。

今年レイカーズでそのタイトルに挑戦するウェストブルックですがそんな彼の今までのキャリアはどのようなものだったのでしょうか。今回はウェストブルックが今までのキャリアで築き上げてきた実績やレガシーについて解説します。

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大学時代~崩壊の始まり

大学1年目はスタメンPGのダレン・コリソンの控えとして大きな活躍の場がなかったウェストブルックはコリソンのケガがきっかけとなり、2年目の2007~2008シーズンにUCLAのスタメンガードとして現キャバリアーズのPFケビン・ラブとチームをNCAAトーナメントのファイナルまでチームを導きましたが、敗退しました。そしてこの年にウェストブルックはNBAドラフトにアーリーエントリーし、予想されていた順位よりも高い全体4位指名キャリアで大きな成功を残すことになるOKCサンダーにドラフトされました。

1年目の2008~2009シーズン、11月からウェストブルックはスターターとして定着し、12月のマーベリックス戦で当時歴代4位の若さで17得点10アシスト10リバウンドを記録しキャリア初のトリプルダブルを記録しました。新人王投票では4位になり、オールルーキー1stチームに選出されました。翌シーズン、34分の出場で16.1得点4.9リバウンド8.0アシストを平均しチームは50勝を記録しプレーオフ進出を果たしました。

次の2010~2011シーズン、ウェストブルックはキャリア初の40得点以上(43得点)を記録し、21.9得点4.6リバウンド8.2アシストを平均しついに平均得点を20得点以上に乗せ、初のオールスターとオールNBA2ndチームにも選出されました。

そして2011~2012シーズン、ウェストブルックは23.6得点4.6リバウンド5.5アシストと平均得点をさらに伸ばし、彼だけでなく6マンとしてベンチからプレーしたジェームズ・ハーデンの成長もあり、サンダーはウェストブルック、デュラント、イバカ、ハーデンと若い才能が集まるチームとしてNBAファイナルまで勝ち上がりました。ウェストブルック自身はファイナルで27.0得点6.4リバウンド6.6アシストを平均しレギュラーシーズンから大きく成績を伸ばしましたが同じく初優勝を狙っていたレブロン率いるヒートの3キングスに敗れ、このシーズンに16.8得点をベンチから平均していたハーデンがトレードされサンダーの崩壊は始まりました。

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新しいOKC~OKCとの別れ

ハーデンがトレードされ、代わりにスティーブン・アダムズを獲得したOKCは彼を新たな大きい戦力として使って戦いました。2012~2013シーズンには23.2得点5.2リバウンド7.4アシストを平均しプレーオフに安定して出場しましたが、1回戦のロケッツ戦でパトリック・ベバリーからハードファウルを受け右ひざACL断裂のケガを負いそのままシーズン終了となりました。

翌シーズン、ケガの影響もあり46試合のみの出場となり、21.3得点5.7リバウンド6.9アシストと平均スタッツも落ちましたがデュラントの助けもあり、チームはプレイオフに進出。しかしながら敗退してしました。

2014~2015シーズン、ウェストブルックは10月に右手を骨折し1カ月の離脱を余儀なくされましたが、自身初の50得点以上(54得点)を記録したり、28.1得点7.3リバウンド8.6アシストと平均スタッツを大きく伸ばしたりとケガの影響を感じさせない活躍を残し、このシーズン彼は得点王に輝きました。2015~2016シーズン、OKCは再び優勝に近づくことになります。ウェストブルックは23.5得点7.8リバウンド10.4アシストを平均し、オールNBA1stチームに選出され、プレイオフではNBAファイナルに進出しました。ステフ率いるウォリアーズと対戦し3勝1敗で優勝まであと一歩まで近づきましたが、ここから逆転されOKCは悔しいファイナル敗退となりました。

そしてこのオフに最強の相棒だったケビン・デュラントがファイナルで逆転負けしたウォリアーズに移籍するという大事件が起きました。翌年、チームを1人で背負うことになったウェストブルックは31.6得点11.8リバウンド10.8アシストを平均し、オスカー・ロバートソン以来初となる平均トリプルダブルを達成し、シーズンMVPになりました。プレイオフでは、第1回戦でロケッツと対戦しシリーズで37.4得点10.7リバウンド10.8アシストを平均しましたが、チームは敗退してしまいました。

次シーズン、ウェストブルックは25.4得点10.1リバウンド10.3アシストを平均し2年連続で平均トリプルダブルを達成し、アシスト王に輝きましたが、プレーオフでは昨年同様、第1回戦で敗退しました。2018~2019シーズンも22.9得点11.1リバウンド10.7アシストを平均し3年連続平均トリプルダブルを達成し2年連続のアシスト王になり、偉業を成し遂げましたが、またしてもプレイオフではブレイザーズに第1回戦で敗れウェストブルック中心に限界を感じたチームは彼をハーデンのいたロケッツにトレードしました。

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ロケッツ移籍~現在

トレードされた2019~2020シーズンにハーデンと再びプレーすることになったウェストブルックはついに3年続いた平均トリプルダブルを記録することはありませんでしたが、史上3年目となる20,000得点6,000リバウンド7,000アシストを達成しました。プレーオフではこの年優勝することになるレイカーズとの第2回戦で敗退し、ウィザーズにトレードされました。ウィザーズではメンターとしても貢献し、通算トリプルダブル数でオスカー・ロバートソンを抜き歴代1位になり、2年ぶりの平均トリプルダブルを記録しアシスト王にも輝き、チームをプレーイントーナメントに導きましたが惜しくもプレーオフ進出は逃し、オフに大型トレードでレイカーズに移籍しました。

まとめ

いかがだったでしょうか。ウェストブルックは圧倒的な才能と身体能力を持った選手ですが明らかな弱点がある選手でもあります。今年のレイカーズではレブロンを助けることのできる選手としての活躍が求められています。今までのウェストブルックを見る限りその期待に応えることができると思いますので、キャリア初の優勝を達成してほしいと思います。

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【選手紹介】緑の軍団セルティックスの英雄:ポールピアース

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英雄ポール・ピアースの壮絶なキャリア

ポール・ピアースと言えばインスタグラムでやらかしたり、予想を外しまくったりと引退してからはいじられキャラとして定着してしまっていますが、選手としては非常に優秀な選手でセルティックスを優勝に導いたフランチャイズプレーヤーです。彼は過去に命を落としかける事件に巻き込まれることもありましたが、それを乗り越えたセルティックスの英雄です。今回はそんなピアースの山あり谷ありのキャリアについて紹介していきます。

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NBA入り~優勝できないエース

1998年のNBAドラフトにカンザス大学のスーパースターとしてエントリーしたピアースは、当時から高い評価を受け全体3位以内の指名が予想されていましたが今になってもなぜかは解明されていませんが運命的にも全体10位指名までドロップし、セルティックスに指名されました。

全体10位指名にまで落ちた悔しさをプレーにぶつけたピアースは1年目選手ながら16.5得点6.4リバウンド2.4アシストを平均し、オールルーキー1stチームに選出されました。NBA選手としては身体能力が高くはないのは当時から知られていましたが、それをものともしないダンクと滑らかなシュートフォームから繰り出されるミドルレンジシュートでチームに貢献し、将来のエースとして、フランチャイズプレーヤーとしてチームを引っ張っていくことを期待されていました。

しかしながら3年目を迎えるオフシーズンにピアースはクラブで女性問題によってナイフでめった刺しにされてしまい、生死の境をさまよいシーズンは全休するだろうと思われていました。奇跡的に一命をとりとめたピアースは全休どころかシーズン開始1カ月前にチームに合流しシーズン82試合スターターとして出場。平均得点も19点から25点台にのせ、事件の影響を全く感じさせないパフォーマンスを見せ、完全復活を果たしました。個人としては大活躍しており2002, 2003, 2004, 2005, 2006年と5年連続でオールスターに選出されましたがプレーオフに出場したりしなかったり、したとしてもすぐに敗退してしまう結果に終わり、チームメイトに恵まれないキャリアになりかけていました。

2007~2008シーズンにピアースはついに首脳陣にチームに優勝できるチームを作るように要求し、もしできなければトレードするようにと伝え、その結果として有名なレイ・アレン・ケビン・ガーネットとのBIG3が結成されました。

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念願の優勝~引退

そしてBIG3を結成したチームは1年目からいきなりそれぞれの選手が互いに活躍の場を分け合い、チームとして強く結びついたチームとなりいきなり優勝を達成しました。この年ピアースはオールNBA3rdチームに選出され、ファイナルで21.8得点、4.5リバウンド、6.3アシストを平均しファイナルMVPを受賞。今まで優勝できないエースとして見限られていたピアースは評価を一転させることができました。

そして2009年にはオールNBA2ndチームに選出されましたが、ヒートのBIG3に敗れこの年から引退まで優勝することはありませんでした。2010年にはセルティックス史上3人目となる通算20,000得点を達成し、オールスターの3ポイントコンテストでは優勝しました。

2013年には当時急激な補強で優勝を狙っていたネッツにチームメイトのジェイソン・テリー、ガーネットと共にトレードされプレイオフに出場しましたが、年齢に逆らうことはできず衰えを感じさせるパフォーマンスで1年でウィザーズに移籍しましたがここでも1年で移籍し、クリッパーズと新しく契約を結びました。

クリッパーズではプレーオフでゲームウィニングショットを決めたり、若手選手のメンターになったりと経験豊富なベテランとしてチームに貢献しましたが2017年に引退。引退後に古巣のセルティックスと1日契約を結び練習場でセルティックスのシャツを着てシューティング練習をして本当の引退をしました。

まとめ

いかがだったでしょうか。ピアースと言えば歴代SFトップ10に出てくるような選手なので1度しか優勝していないのはあまり彼をよく知らない方からしたら意外なのではないでしょうか。1度だとしても彼は歴史に残るような選手であり、これからも語り継がれるような選手であることは間違いありませんので今回彼のキャリアを振り返りました。

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初出掲載:2021年10月2日

【チーム分析】今年こそプレーオフで躍進を見たいグリズリーズ

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昨年プレイオフまであと一歩まで近づい若きメンフィス・グリズリーズ

昨年、マブズよりもチームとして若いグリズリーズはウエスタン・カンファレンス9位に入り、プレイインで勝利しプレイオフに出場しましたが力及ばず1回戦で敗退してしまいました。今シーズンにはプレイオフで彼らが2回戦やカンファレンス・ファイナルでプレーすることが期待されていますが、実際のところどうなのでしょうか。今回は今シーズンのグリズリーズについて考察していこうと思います。

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昨年のプレーオフで見せた急成長の兆し

昨シーズンのプレイオフでは、ルーキーシーズンに予想外の活躍をしていたブランドん・クラークや、2番手のジャレン・ジャクソンJrが活躍することはあまりありませんでしたが、その代わりに普段はそこそこのスコアラーとしてプレーしていたディロン・ブルックスが急成長を見せ、平均得点を17得点から26得点に伸ばしました。彼のプレイオフでの急成長はエースのジャ・モラントもインタビューで絶賛していました。確かに数字に出てくるスタッツの部分でも成長を見せたブルックスですが、それ以外にもエナジーガイとしてチームに大きく貢献しました。

これは思ったよりもチームにとって大切な存在で優勝するチームには必ずと言っていいほどエナジーガイがいます。彼が見せたプレーオフでの活躍が実力なのであれば、今シーズンのグリズリーズには安心してスコアリングを任せることができる3番手(もしくは2番手←JJJが復帰してもケガの影響が大きいかも?)がいることになります。

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オフでの補強

グリズリーズはオフでもチームの方向性に合わせて補強をしました。今のグリズリーズイン必要なものは、まだセンターとして未完成なJJJを助けられる基礎がしっかりとしたセンター、モラントやブルックスが使えるスペースを作ることができるシューター、他のチームに負けないようなウイングの3点です。ウイングの補強に関してはそこまでできているわけではありませんが、他の2点に関してはしっかりと対策ができています。

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センターの補強

JJJがケガからどう復帰してくるかわからないうえに彼はまだ選手として、センターとして発展途上ということを考えて彼を裏から支え、さらなる成長の促進と負担の軽減をすることができるセンターを必要としていました。以前チームにいたヨナス・バレンチュナスでもその役割を任せることができましたが、単純にセンターとして安定感があり、性格も温厚で取っつきやすいスティーブン・アダムズをバレンチュナスとのトレードで獲得しました。これによって、JJJの成長促進とケガリスク軽減の2つの目的は達成されました。

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スペースの確保

グリズリーズはオフにシューターの目立った補強はしていませんが、昨シーズンのブレイザーズとのトレードで獲得したデズモンド・ベインが想像以上にシューターとして活躍しました。平均得点は9.2得点とベンチプレイヤーとしての起用でしたが、43.2%で3PTを決めてくれるのでトレードで獲得した1巡目30位の選手としては意外と良いパフォーマンスを見せてくれています。50%越えの確率で2PT、約82%でFTを決めてくれますのでベンチプレーヤーとしては非常に効率が良い選手であり、モラントのアシスト先のシューターとしては非常にぴったりの存在となり、スペーサーとして優秀なことがわかります。

まとめ

いかがだったでしょうか。グリズリーズはモラントを中心としてこれからの10年間を期待できるチームではありますが、今シーズンの活躍にも十分期待できるチームです。JJJの状態とブルックスのパフォーマンスが継続することに大きくチームが左右されるような気がしますが、モラントのリーダーシップやゲームコントロール能力を考えるとそこまで心配せずとも大丈夫ではないかと思います。プレイオフでは2回戦まで進出できる力は十分に備わっているのではないかと思います。

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【選手紹介】バスケットボールの神様:マイケルジョーダン①

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バスケの神様、そしてNBAの常識を変えた選手

NBAで最も有名な選手であり、絶対的な存在としてバスケの神様とも呼ばれているマイケル・ジョーダン。しかし当時ドラフトされる前から彼がここまでの選手になると思っていた方は意外と少ないでしょう。ではそんな彼がどのようにして神様にまで上り詰めたのでしょうか。今回はジョーダンのキャリアで最初の3連覇までについて紹介していきます。

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大学時代~ピストンズとのライバル関係

ジョーダンは高校を卒業するとノースカロライナ大学に進学し1982年にNCAAトーナメントで伝説のウィニングショットを決め大学を2度目の優勝に導き3年生時にはネイスミス賞とウッデン賞を同時受賞しました。そしてこの3年時にコーチに進められNBAドラフトにアーリーエントリーしました。ドラフトでは確かにポテンシャルや大学での実績が評価され高順位での指名が期待されましたが、この年は大学で圧倒的な実力を見せており当時のセンターが支配していたNBAにピッタリのビッグマン、アキーム・オラジュワンが1位指名を受け、ジョーダンは3位でシカゴ・ブルズに指名されました。

ジョーダンは1年目からスターターとして出場し、28.2得点を平均しスコアラーとしての実力を存分に発揮しましたが、自分の実力を過信するが故の態度がチームメイトによく思われることはなくチームから孤立することもありました。それでもスコアラーとして大活躍し2年目には22.7得点、3年目には37.1得点と点取り屋としてすでにリーグ最高の選手になっていましたがプレーオフでは個人として大活躍するもののチームメイトが彼を助けることができず3年連続で1回戦敗退になりました。

1986年頃にはNBAを支配していたセルティックスが少しずつ高齢化によって衰退していきましたが、それによって力を持ったのは将来の乗り越えるべき壁となるバッド・ボーイズの名前で知られていたデトロイト・ピストンズでした。そして1987年プレイオフでセルティックスに敗退するとそれから1988年、1989年と2年連続でブルズはプレイオフでピストンズに敗退しました。そして1989~1990シーズンには若手のスコッティ・ピッペンとホーレス・グラントが成長し、チームもトライアングル・オフェンスを取り入れ勝率は向上。ブルズはチームとして力をつけ、プレイオフでピストンズと対戦しましたが3勝4敗と惜しくも敗退することになりました。

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初優勝~1度目の引退

翌シーズン、ジョーダンはプレースタイルを変更しチームプレイヤーとしてプレー(それでも31.5得点で得点王は怖すぎ)ました。チームも当時チーム史上最多の61勝をマークしプレーオフでついにピストンズをスウィープしファイナルではマジック・ジョンソン率いるレイカーズに4勝1敗で勝利しついにジョーダンはピストンズを倒し初優勝を達成。ファイナルMVPも受賞しました。翌シーズン、ブルズは昨年更新したチーム史上最高勝利数を更新し67勝を上げ、ファイナルに出場すると同世代で比較され続けていたクライド・ドレクスラー相手に圧倒的なパフォーマンスを残し2連覇を達成しました。

1992~1993シーズンには57勝とレギュラーシーズンでの勝利数は減りましたがファイナルに進出この年シーズンMVPを受賞していたチャールズ・バークレー擁するサンズと対戦しました。このシリーズでNBAファイナル歴代最高となる41得点を平均しジョーダンはファイナルMVPを受賞しキャリア1回目の3連覇を達成しました。この年のオフに父を不慮の事件によって失ってしまったジョーダンは父の隙だった野球をするために1度目の引退をし、全盛期での引退はメディアと世間を驚かせました。

まとめ

いかかだったでしょうか。ジョーダンの1度目の引退までについて紹介していきましたが、この引退でキャリアを終えていたとしてもジョーダンは歴史に名を刻んでいただろうと思えるほど達成したキャリア前半でした。

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