NBA Watcher 【毎週投稿】

NBAの歴代選手や歴代チームの紹介などをするブログです。

【チーム紹介】史上最高フランチャイズの史上最高チーム:2010年代後半のスパーズ

にほんブログ村 その他スポーツブログへ にほんブログ村 その他スポーツブログ NBAへ にほんブログ村 その他スポーツブログ バスケットボールへ にほんブログ村 その他スポーツブログ その他スポーツ情報へ

f:id:koroUTAS:20211106095756j:plain

若い才能とベテランスターの最高のブレンド

2000年代前半はロビンソンとダンカンのツインタワー、2000年代後半から2010年代前半はダンカン、パーカー、ジノビリのBIG3と10数年にわたってリーグのトップを走り続けたチームのサンアントニオ・スパーズ。このフランチャイズの偉大さを語り始めるとブログの記事では伝えきれないでしょう。勝ち続けているイメージが強いチームで、スパーズに関する思い出は数多くありますが、個人的に最も印象深いのは2014年のリベンジを果たした瞬間です。前年にレイ・アレンのクラッチシュートによって手に入れかけていたチャンピオンリングを逃しましたが、この年のスパーズは新しいエース候補のカワイ・レナードとBIG3が上手く合わさり圧倒的な強さを見せて4勝1敗で優勝を決めました。今回は、「スパーズ史上最高のチーム」と呼ばれることもある2014年のスパーズについて、そしてそこに行きつくまでのストーリーについて紹介していきます。

f:id:koroUTAS:20211106103214j:plain

BIG3時代~BIG3時代からの脱却

2003~2004シーズン、ジノビリとパーカーがブレイクアウトを果たし、チームを支え続けていたダンカンと共にチームをBIG3として牽引することになりました。このBIG3を擁したスパーズは2005年にピストンズを2007年にキャバリアーズを破って2度の優勝を達成しましたが、そこから2013年にヒートとの対戦で敗れるまではファイナルに出場することができていませんでした。

長年強豪として勝利を積み重ねていたスパーズがプレイオフで結果を残すことができなかったのには様々な理由があったのですが、最もわかりやすい理由の1つが中心選手のケガや衰えがありました。パーカーとジノビリは度重なるケガで欠場が続き、復帰しても出場時間制限が設けられていました。ダンカンは大きなけがをすることはありませんでしたが、2010年を迎える時には34歳になっており明らかにパフォーマンスが落ち始めていました。しかしながら、このBIG3を解体して優勝チームを一から作り直す判断を下すことは非常に難しく常勝軍団として毎年優勝の期待を背負っていたチームはドラフトかトレードで新しい戦力、特にチームの将来を任せることができる若い才能を求めていました。

2008年にはジョージ・ヒルをドラフトし彼が2年目にFG45.3%、3PT37.7%で平均12.4得点を残すまで成長し、3年目も同じような成績を残したことでスパーズに若い才能を手に入れるチャンスが転がり込みました。ヒルの3年目シーズンを見たインディアナ・牌サーズが彼の獲得に興味を示していたのです。そしてスパーズはドラフトナイトにペイサーズとのトレードを成立させました。スパーズはヒルとの交換で15位指名のカワイ・レナードを獲得しました。彼は大きな手と高い身体能力を活かしたプレーを強みとしていたPFとして大学で活躍していましたが、スキルとシュートに問題がありポール・ジョージを中心としてすぐにでも優勝を目指せるチームを作りたがっていたペイサーズにレナードを育てる時間はありませんでした。逆にスパーズはBIG3の裏で彼を成長させることができると信じこのトレードを行い、のちにスパーズは彼と共に優勝を成し遂げることになります。

f:id:koroUTAS:20211106112706j:plain

カワイの成長~2014年リーグ制覇

カワイの1年目は平均24分の出場時間しか得ることができず、オフェンス面では平均7.9得点とやはり素材型の選手であることを露呈しましたが、5.1リバウンド1.3スティールを記録し、ディフェンス面で既にチームに貢献できる選手であることを証明しました。翌年はその成長を見せるかのように平均得点を11.9点まで伸ばし、プレイオフでは平均13.5得点9.0リバウンド1.8スティールと翌年のブレイクアウトを予感させるような活躍を残しました。

そして迎えた2013~2014シーズン、レナードはFG52.2%、3PT37.9%、FT80.2%で平均12.8得点6.2リバウンド1.7スティールを記録し、いわゆる2WAYプレーヤーとしてチームに貢献しました。そのディフェンス力は3年目選手ながらすでにリーグのトッププレーヤーを苦しめるほどのものであり、ペリーメーターディフェンダーとして非常に高い評価を得ていました。

カワイの成長もありましたが、この年はスパーズのチーム全体に昨年の大逆転負けのリベンジをしてやろうという気迫があり、フランチャイズ記録の19連勝を含む62勝を残してプレイオフに出場しました。チームにはカワイと同じく若いシューターのダニー・グリーンがおり、彼もまたカワイと共にチームを支える若手として活躍していました。この時にはダンカンは39歳になっており、ジノビリは37歳パーカーも32歳とかなりチームの高齢化が不安視されていましたが、3人のプレーオフ平均得点は16得点で安定した活躍を見せてプレーオフを圧倒的な強さで勝ち上がり、優勝を達成しました。この年カワイは平均14.3得点ながらファイナルでレブロンをシャットアウトしたディフェンスが大きく評価され、史上3番目の若さでファイナルMVPを受賞しました。

この年のチームはダンカンとパーカーをはじめとしてインサイドでの得点を強みとするチームでありながらグリーンとカワイの安定した3PTとミドルショットでも得点が取れるチームに仕上がっており、非常に得点力が高く効率的なチームでした。しかしオフェンス面にとどまらず、ディフェンス面でもダンカンのリムプロテクトとカワイ&グリーンのウイングディフェンスによって弱点が少ないチームになっており、完璧なチームに近い存在でした。

まとめ

いかがだったでしょうか。「NBA史上最強のチーム」を決める際に2014年スパーズを上げる人は正直少ないと思います。しかしそれはスパーズが史上最強にふさわしくないからではなく、1990年代のブルズや2000年代前半のレイカーズなど、同年代に史上最強になることができるチームが複数存在していたことが原因だと思います。間違いなく彼らはNBA史上でもトップクラスの完成度を誇ったチームであり、スパーズの歴史上においては絶対的なベストチームです。

このブログではNBAの歴代選手や歴代チームの紹介をしています。NBAやバスケに興味がある方は是非引き続きお読みいただけると嬉しいです!