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【選手紹介】奇跡の優勝を支えた縁の下の力持ち:ベン・ウォーレス(2/3)

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予想外の優勝と2度の最優秀守備選手賞

前回の記事でベンは苦労をしてNBA入りを果たした若い時代から、ブレッツとマジックでの下積み時代を乗り越えました。ピストンズにトレードされてからの彼は成長の一途をたどり、ついにはディフェンシブスターとして最優秀守備選手賞を受賞するまでの選手になりました。しかしながら、カンファレンス・ファイナルまで進出した2003年プレイオフでは東の優秀なPFに苦戦し、ネッツに敗れてしまいました。今回は求めていたオールスターPFを獲得し、ついに念願のNBA優勝を成し遂げたベンのキャリア中盤について紹介していきます。

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最強のチームワークを発揮した2004年のチャンピオン

2003~2004シーズン、前シーズンと同様にリーグトップの12.4リバウンドと3.2ブロックを平均し、インサイドでの支配力を見せつけていました。最優秀守備選手賞こそ、ロン・アーテストに取られて3年連続受賞とはなりませんでしたが、オールディフェンシブ1stチームとオールNBA2ndチームに選出されました。このシーズンのピストンズはトレードデッドラインの終了15分前にホークスからスターPFのラシード・ウォーレスを獲得し、さらにインサイドの力を伸ばしました。ベンとラシードのツインウォーレスは攻守の両方でチームをリードし、このシーズンのピストンズは54勝28敗の成績でプレイオフに進出しました。

1回戦ではバックスを5戦で破り、2回戦では宿敵のネッツと対戦しました。この年のピストンズはネッツのスターPFのケニオン・マーティンに対抗できる同じくスターPFのラシードがいたおかげで最初の2戦をとることができました。しかし、ここからネッツは執念の3連勝でピストンズを追い詰めました。世間はこの結果を見てピストンズは敗退すると思っていましたが、ピストンズはここから意地の2連勝でシリーズを制し、ペイサーズとのカンファレンス・ファイナルに進みました。ペイサーズもネッツと同じようにスターPFのジャーメイン・オニールがいましたが、ピストンズは6戦でシリーズを制しNBA関係者が予想だにしていなかったファイナル進出を成し遂げました。

この年のファイナルの相手はコービー&シャックのデュオにペイトンとマローンのレジェンド2人を加えたスーパーチームを結成していたレイカーズでした。コービーとシャックの仲は非常に険悪になっており、いつも喧嘩をしているようなチームになっていたレイカーズでしたが、それでも4人の将来の殿堂入り選手を有したチームにピストンズが勝てるチャンスはないと思われていました。しかしピストンズはチーム一丸となって行うオフェンスとディフェンスによって番狂わせの1回戦勝利を収め、2回戦では負けてしまいましたが3回戦ではディフェンスでレイカーズを完封して2勝1敗のリードを奪いました。そしてそのままの勢いで2連勝で優勝を成し遂げ、ベンはキャリア初の優勝を成し遂げました。ファイナルMVPはチームをコントロールしていたエースPGのビラップスでしたが、ベンは怪物のシャックを1人で守り切りプレイオフ平均で10.3得点14.3リバウンド1.9スティール2.4ブロック、ファイナル平均では10.8得点13.6リバウンド1.8スティール1.0ブロックを記録しており、ディフェンス面でのファイナルMVPでした。実際、ベンのレギュラーシーズンでのディフェンシブレーティングは87でそもそもリーグ最高の数値でしたが、プレイオフでは84まで数字を下げてさらにディフェンダーとして優秀な選手に進化していました。

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2連覇を目指した2004~2005年シーズン

優勝を成し遂げた次の2004~2005シーズン、、11月19日のペイサーズ戦で起こったスポーツ史上最悪の乱闘である「パレスの騒乱」に巻き込まれたことにより6試合停止処分を受けました。しかしそれでもベンのディフェンスの支配力は健在で平均9.7得点12.2リバウンド1.4スティール2.4ブロックを記録してアーテストに奪われた最優秀守備選手賞を奪い返しました。もちろんオールディフェンシブ1stチームとオールNBA3rdチームに選出され、30歳の全盛期真っただ中らしくスーパースターレベルでプレーしていました。プレイオフではシクサーズ、ペイサーズを破ってカンファレンス・ファイナルに進出しました。カンファレンス・ファイナルではヒートと対戦しましたが、ヒートには移籍1年目のシャックがおり、またしても最強のオフェンシブCと最強のディフェンシブCの対戦が見られました。ベンは昨年の対戦のようにシャックを抑えきることができず、このシリーズでのスタッツは平均7.4得点10.3リバウンド1.7スティール1.6ブロックと控えめな数字に収まりましたがそれでもチーム力でウェイドとシャックのスターデュオを破って2年連続のファイナルに進出しました。ファイナルではベンは奮闘して平均10.7得点10.3リバウンド1.7スティール3.0ブロックを記録しましたが、ダンカン、パーカー、ジノビリのBIG3に圧倒されてしまい2連覇を逃してしまいました。

まとめ

いかがだったでしょうか。ベンは2004年の奇跡の優勝を成し遂げたピストンズの1番大切なピースだったと思います。ベンがいなければインサイドで攻守の両方で相手を圧倒できるデュオを組むことはできませんでしたし、そもそもインサイドを強みとしたチームを作ろうと思いつくことはなかったと思います。NBAファイナルでもシャックを1人で止めたおかげで他のスターを守り切ることができましたし、あの年の本当のファイナルMVPはベンだったと心の底から思っています。

このブログではNBAの歴代選手や歴代チームを紹介しています。NBAやバスケに興味がある方は是非引き続きお読みいただけると嬉しいです!