【選手紹介】ダンクの父:ジュリアス・アービング(1/3)
「ダンクの父」と呼ばれるレジェンドのキャリア
マイケル・ジョーダンがあこがれた選手として、そして伝説のベースラインムーブで今でも高い人気を博しているNBAレジェンドのジュリアス・アービング。彼のキャリアにはMVPやNBA優勝など数多くの栄冠がありますが、彼をレジェンドにしているのはその功績だけではなくやはり数々の記憶に残るプレーでしょう。今回はそんな記録にも記憶にも残るダンクの父、ジュリアス・アービングのキャリアについて紹介していきます。
大学時代~スクワイアーズとの軋轢
マサチューセッツ大学に入学したアービングは大学2年間のシーズンで26.3得点20.3リバウンドを平均し、NCAAの歴史の中で6人しかいない20得点20リバウンドを平均した選手の1人になりました。そして1971年にプロバスケットボール選手としてのキャリアを歩もうとドラフトエントリーを決心しましたが、当時のNBAでは高校卒業後から4年経っていない選手がプレーすることができないルールがあったため、その制限がないABAリーグでプレーすることになりました。
ABAのバージニア・スクワイアーズに加入したアービングはルーキーながらすぐにそのダンクで名を轟かせることになりました。アービングがABAに入ったこの年に都合よくダンクが解禁され、アービングはそのダンク能力を余すことなく発揮しました。1年目のシーズンを27.3得点4.0アシスト15.7リバウンドを平均したアービングはオールABA2ndチーム選出を受け、新人王にも輝きました。プレイオフではチームを東地区の決勝まで導きましたがその年ABAファイナルまで進出したニューヨーク・ネッツに敗北し、新人シーズンを終えました。
そして迎えた1972年、この年アービングはついにNBAドラフトにエントリーすることができるようになり、ロバートソンとカリーム率いるバックスは彼を12位指名でドラフトしました。しかしアービングはドラフト前にNBAのホークスと契約を結んでおり、この契約が原因でアービングはスクワイアーズ・バックス・ホークスの3チーム間のいざこざに巻き込まれることになりました。しかし結局、裁判所の判決によりアービングはスクワイアーズでしかプレーすることができないことになりました。この問題と判決はアービングとチームの不仲を促進させることになり、アービングは2年目シーズンを終えたときにニューヨーク・ネッツに契約を売却されてネッツの一員になりました。
ネッツへの移籍~最初で最後のABA優勝
スクワイアーズは経済的に不安定なチームであり、3チーム間の契約の問題を解決できるような状況にはなく、アービングへの不信感を募らせていたこともあり彼の契約をネッツへ売却してしまいました。ルーキーシーズンからずっとスターとして活躍していたアービングが下手をするとNBAのチームへ行ってしまうリスクもありましたが、スクワイアーズはなんとかネッツとの交渉を成功させてリーグの顔を失うことを防ぎました。アービングはこの移籍がきっかけで、ABAの歴史上で最も重要な選手と呼ばれるようになりました。1シーズン目に27.4得点5.2アシスト10.7リバウンドを平均したアービングは前年30勝54敗に落ち込んでいたチームいきなり55勝29敗まで導きました。2年連続で得点王になり、シーズンMVPにも輝きました。プレイオフではユタ・スターズを破って初優勝を成し遂げ、ファイナルMVPも受賞しました。
次のシーズンも平均27.9得点5.5アシスト10.9リバウンドを記録したアービングは2年連続でシーズンMVPを受賞してチームを58勝26敗まで導きました。2年連続MVP受賞の勢いのままにプレーオフに挑みましたが、この年はスピリッツ・オブ・セントルイスに敗れてしまいました。
そして迎えたABAリーグ最後のシーズンの1975~1976シーズン、ABAはNBAと合併することが決まっておりNBAに活動拠点を移し、ABAを去るチームが多く現れました。そんな激動のリーグでアービングは平均29.3得点5.0アシスト11.0リバウンドを記録して3度目の得点王とシーズンMVPに輝きました。この年アービングは初めて開催されたスラムダンクコンテストに出場しジョーダンと同じようなレーンアップを決めてコンテスト優勝を決めました。プレーオフではマイケル・トンプソン擁するナゲッツとのファイナルを制して2度目の優勝を果たしファイナルMVPを受賞しました。
まとめ
いかがだったでしょうか。アービングはジョーダンが憧れた選手として有名になるのも当然だと思えるほど今回紹介したABAリーグの4年間のみでも十分な達成度を誇る選手です。昔の選手としては数少ないスキルフルな選手であり、それでかつ身体能力がずば抜けていた彼のプレーには華があり、多くのファンが魅了されました。
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