【選手紹介】史上最高レベルのリーダーシップをもつPG:クリス・ポール
史上最高のリーダーシップを持った万能PG
昨シーズンにOKCからサンズに移籍してディアンドレ・エイトンとデビン・ブッカーの2人の若手エースを率いていきなりチームをNBAファイナルに導いたクリス・ポール。彼はロケッツ時代、当時では最大の優勝チャンスを逃したことでPGとしての評価を大きく下げていましたが、OKCサンダーとサンズで過ごしたこの2年間でやはり史上最高レベルのPGだということを世間に知らしめました。個人としてほとんどの栄誉を達成したポールですが唯一手に入れていないタイトルは優勝のみです。年齢も重なってきており、残された時間は少ないですがぜひ優勝してほしい選手の1人ですが、彼の今までのキャリアはどのようなものだったのでしょうか。今回はクリス・ポールのキャリアについて紹介していきます。
高校時代~クリッパーズへの移籍
ウェスト・ホーサイス高校でプレーしたポールは高校最終年に30.8得点8.0アシスト5.0リバウンド6.0スティールを平均しマクドナルド・オールアメリカンに選出され、ノースカロライナ州のミスター・バスケットボールにも選ばれました。
高校バスケを終え、ウェイクフォレスト大学に進学したポールは1年目ながらスターターを務め14.8得点5.9アシスト2.4スティールを平均しカンファレンス新人王に輝きました。翌シーズンも15.3得点6.6アシスト2.4スティールと安定した成績を残し、そのまま3年には進級せずにNBAドラフトにアーリーエントリーしました。
ポールは2005年のドラフトで全体4位でニューオリンズ・ホーネッツから指名を受けました。スピーディ・クラクストンと1年目はコンビを組み活躍し、すべての月間新人王を受賞し、16.7得点7.8アシスト2.2スティールを平均して124/125票獲得し、新人王になりました。チームは前年から20勝成績を伸ばしましたがプレーオフに進出することはできませんでした。
2年目のシーズンにはチームでけが人が多発しポールも18試合を欠場しましたが、17.3得点8.9アシスト4.4リバウンド1.8スティールを平均し安定した活躍をし、チームを引っ張りましたが戦力が足らずプレイオフに進出することはできませんでした。
2007~2008シーズン、ホーネッツはけが人が復活し56勝の成績を残しプレーオフに進出しました。ポールはこの年に大躍進し、21.1得点11.6アシスト4リバウンド2.7スティールを平均しアシスト王とスティール王の2冠を達成しました。オールNBA1stチームとオールディフェンシブ2ndチームにも選出され、3年目ながらMVP候補にもノミネートされ、投票では2位になるほどのスター選手に成長しました。プレーオフではマーベリックスを撃破し2回戦ではスパーズと対戦しましたが、第7戦で経験の差を感じる敗退を喫し、プレーオフから姿を消しました。
2008~2009シーズン、ポールは108試合連続スティールの新記録を樹立し、開幕から15試合連続20得点10アシストも達成しました。ポールは活躍しましたがチームは不調が続き22.8得点11.0アシスト5.5リバウンド2.8スティールをポールが平均したにもかかわらず成績は振るわず49勝に終わりました。ポールは2年連続のアシスト王とスティール王になりオールNBA2ndチームとオールディフェンシブ1stチームに選出されました。ポールの活躍もありプレーオフへの期待は高まりましたが、1回戦のナゲッツとの対戦でベテランPGチャンシー・ビラップスに翻弄され1勝4敗で敗退しました。2010年にはポール自信は活躍しましたがプレイオフ進出は逃し、不満を募らせたポールはトレード要求をしレイカーズとのトレードが決まっていましたがそれは当時のコミッショナーのデビッド・スターンに取り消され、2011年にクリッパーズにトレードされました。
ロブシティ・クリッパーズ~ロケッツで王朝への挑戦
クリッパーズへトレードされたポールはそこでブレイク・グリフィン、ディアンドレ・ジョーダンの2人とアリウープが連発される「ロブシティ・クリッパーズ」を結成しました。2011~2012シーズンにポールは19.8得点9.1アシスト2.5スティールを平均しオールNBA1stチームに選出されました。プレーオフにも進出しましたが、2回戦でスパーズにスウィープ負けを喫し、ポール以外の中心選手の若さを露呈する結果になりました。
2012~2013シーズンポールは調子を落としましたが、16.9得点9.7アシスト2.4スティールを記録しました。プレーオフには進出しましたが、主力のケガが相次ぎ戦力が大きく低下したクリッパーズはグリズリーズに1回戦で3勝4敗で敗れました。オフに5年の延長契約を結びましたが、この契約延長からクリッパーズは優勝が目指せる戦力をそろえながらも、カンファレンス・ファイナルにも進出することができずもとよりグリフィンの幼稚さに不満を表していたポールはロケッツへ2017年にFAとして移籍しました。
ロケッツではMVPになったジェームズ・ハーデンとコンビを組み王朝ウォリアーズに真っ向勝負を挑んだ数少ないチームの一員として活躍しました。特に2019年のプレイオフではウォリアーズ相手にシリーズをリードしていましたが、ポールが大事なところでハムストリングのケガをしてしまい、サンズに移籍する前まででの最大のファイナル進出のチャンスを逃しました。クリッパーズ在籍最終年~ロケッツ最終年までの間パフォーマンスがケガと年齢によって低下していたポールは3年連続オールスター選出も逃がしており、そんなポールを信頼できなくなったチームは彼をOKCサンダーにトレードしました。
サンダーでの復活~サンズでの栄光
サンダーに2019年にトレードされたポールはベテランプレイヤーとして若手のチームを率いました。シーズン前にはプレイオフ進出確率0.2%と言われたチームをプレイオフに連れていき、1回戦でロケッツ相手に3勝4敗で敗退するもののポールのリーダーシップによって、若手のシェイ・ギルジャス・アレクサンダーは大躍進を遂げ、デニス・シュルーダーも実力を発揮しきったことでポールはロケッツやクリッパーズでのマイナスイメージをひっくり返してサンズへ移籍することになりました。
サンズに移籍したポールは昨年のプレーイントーナメントで無敗のチームをその勢いのまま引っ張り、2人の若手エースのブッカーとエイトンを1段階選手として成長させました。エースの2人以外にもベンチプレーヤーとしてキャメロン・ペインも成長させました。そしてチームとして戦力が昨シーズンよりも強化されたサンズはポールのケガもありましたが、それを乗り越えカンファレンス優勝を成し遂げ、ついにポールにとってもブッカーやエイトンにとっても初めてのファイナル進出を果たしました。
まとめ
いかがだったでしょうか。ポールはケガが多くそのせいで「優勝できない」PGとして評価が下がっていた時期がありましたが、OCKとサンズでの2シーズンの活躍のみでその評価を覆した歴代でも屈指のPGです。彼に残された時間は短いですが復活を果たしたサンズでブッカーと共に是非優勝してほしいです。
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