【選手紹介】ジャズの若いエースかつ将来の歴代SG:ドノバン・ミッチェル
ジャズの現在と未来を背負う若いSG
現在ルディ・ゴベア、マイク・コンリー、ジョーダン・クラークソンなど優秀な選手を数多くそろえ、ダークホース優勝候補としてここ数年高い評価を受けているユタ・ジャズ。チームの絶対的な1番手としてチームを背負っているドノバン・ミッチェルは2017年にドラフトされた25歳のSGです。高い身体能力やスコアリング能力は観客を引き付け、彼の豪快なプレーは記憶に非常に残りやすく、ヒートのレジェンドのウェイドとの比較が一般的にされています。
非常に高い評価を受けている彼ですが、今までのキャリアと達成したことはどのようなものなのでしょうか。今回は彼のキャリアについて紹介していきます。
ルーキーシーズンの大活躍と悔しさ
ルイビル大学の2年生として15.6得点2.7アシスト4.9リバウンドFG46.3%3PT35.4%FT80.6%を記録し、NBAドラフトにエントリーし、全体13位でデンバー・ナゲッツの指名を受け、その後にトレードでゴードン・ヘイワードを失いチームのエースを探していたジャズに加入しました。
ミッチェルは1年目のシーズンから大学2年生のシーズンを大きく上回る活躍をしました。2017年12月1日の試合で、新人選手としてはブレイク・グリフィン以来の40得点以上を記録(41得点)し、この月、23.1得点3.4アシスト3.2リバウンドを平均し、カンファレンス月間新人賞に選出されるなど新人離れした得点能力を発揮しました。オールスターウィークにはスラムダンクコンテストにアーロン・ゴードンの代わりとして出場し、見事優勝し、このシーズンミッチェルは当然のようにオールルーキー1stチームに選出されましたが、新人王はNBA2年目ながら1年目をケガで全休したベン・シモンズに奪われ、ミッチェルはその悔しさを態度や服装で表現していました。
そのままの勢いで4月のウォリアーズ戦では新人最多記録の186本目の3PTを決め、新人選手ながらすでにチームのエースとしてプレイオフにチームを導き、1回戦のOKCサンダー戦では1戦目でで27得点、10リバウンドを、4戦目で33得点、7リバウンドを記録し、だれも予想していなかった番狂わせを演じ、2回戦に進出しました。2回戦で敗退してしまいましたが、この1回戦によりミッチェルとジャズの将来は非常に明るいとみられるようになりました。
スランプに苦しんだ2年目
ルーキーシーズンから新人離れしたパフォーマンスを見せたミッチェルは現時点の実力とポテンシャルの両方で高い評価を受けており、この2年目のシーズンにはスーパースターに成長すると思われていましたが、データが少ない1年目と比べてデータが蓄積された2年目は相手チームにしっかりとした対策を取られとことでいわゆる「ソフォモア・スランプ」に陥ってしまいました。そのスランプはシーズン中だけでなく、プレイオフでも続き、スティール以外のすべての平均スタッツを昨年プレイオフより落とし、チームは1勝4敗でロケッツに1回戦で敗れました。
大躍進し、歴史に名を刻んだ3年目
ソフォモアシーズンを終え3年目を迎えたミッチェルは開幕戦から自分はスランプを抜け出したと言わんばかりの支配的なパフォーマンスで32得点12アシストを記録しOKCサンダーとの試合を制し、この試合を皮切りにミッチェルは3年目の成長をNBAに見せつけました。11月3日には負けはしましたがレナードとジョージがいたクリッパーズ相手に36得点、同月23日のペリカンズ戦で37得点を記録し勝利しました。1月16日にはキャリアハイの46得点を記録したり、初のオールスター選出を受けたりとシーズン通して活躍し続け、世間の評価もそれに沿ったものになってきました。
Covid-19が原因で開催されたNBAバブルでは、NBAプレイオフ歴代3位に入る57得点を記録したり、マイケル・ジョーダン、アレン・アイバーソンに次ぐプレイオフ1シリーズで2回の50得点記録の偉業を達成したりと個人として圧倒的な活躍をしていました。しかし相手チームのジャマール・マレーも同じような活躍をしており、チーム力で劣っていたジャズはミッチェルの活躍もむなしく1回戦でプレイオフ敗退してしまいました。このシリーズでミッチェルはFG52.9%、3PT51.6%、FT94.8%の高効率で36.3得点、5.0リバウンド、4.9アシストを平均しマレーと一緒に歴史に残るプレーオフ1回戦を演出しました。
世間の評価が正当になり始めた4年目
ウイルスの影響で12月22日から5月16日という短期で開催されたシーズンになった2020~2021シーズン、ミッチェルはプレイオフの活躍の勢いのまま好調なプレーを続け高い効率で得点を積み重ねましたが、シーズン終了1カ月前の4月中旬に足首をケガしてしまいました。しかしこの年にはPGのコンリーが調子を取り戻し、シックスマンのクラークソンがベンチから18得点以上を平均しシックスマン賞を受賞するなどチームも大成長しており、ミッチェルの不在をカバーしたチームは1位シードでプレイオフに進出し、ミッチェルも奇跡的にプレイオフ第2戦での復帰を果たしました。1回戦でグリズリーズと対戦したミッチェルは同じく若手スーパースターのジャ・モラントとの対戦を制し2回戦でクリッパーズと対戦しました。第1戦で45得点を記録しそのままの勢いでチームは2勝を先取しシリーズをリードしましたがそこからレナードの欠場により完全にスイッチが入ったジョージのパフォーマンスに圧倒されそこから4連敗で敗退し、ミッチェルの4年目は終わりました。
まとめ
いかがだったでしょうか。ミッチェル、マレー、テイタム、ブッカーやモラントなど今のNBAにはアスレチックかつ爆発的なプレーで試合を盛り上げる若いスターが多くいます。その中でもミッチェルの豪快なプレーと万能性は若手スターの中ではトップクラスであり、ジャズのチームはバランスが良いチームなので彼がファイナルで活躍するときを早く見たいなと思います。
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