NBA Watcher 【毎週投稿】

NBAの歴代選手や歴代チームの紹介などをするブログです。

【選手紹介】動けるデブの具現化:二コラ・ヨキッチ

にほんブログ村 その他スポーツブログへ にほんブログ村 その他スポーツブログ NBAへ にほんブログ村 その他スポーツブログ バスケットボールへ にほんブログ村 その他スポーツブログ その他スポーツ情報へ

f:id:koroUTAS:20211001200512j:plain

異彩を放つデンバー・ナゲッツの司令塔

昨シーズン、ナゲッツ初、2巡目指名選手としても初めてのMVPを受賞した二コラ・ヨキッチ。彼は高い身長こそ持っていますが、その他の身体的な部分では特筆すべき恵まれた点がなく、現代NBAにピッタリのセンターとも言えない選手ですが、MVPを受賞しています。彼の持ち味はその広い視野と「ソンボル・シャッフル」とも呼ばれるノビツキーとはまた違うフェイダウェイシュートをはじめとするスキルの高さにあります。今シーズンはもう1人のエースのジャマール・マレーが全休になることが予想されており、ヨキッチの司令塔、そしてリーダーとしての手腕が試されるシーズンになりそうです。今回はそんな彼の今までのキャリアについて紹介していきます。

f:id:koroUTAS:20211001211726j:plain

予想外のドラフト指名~スターへの成長

セルビアで生まれ育ったヨキッチはセルビアのリーグでプロとしてのキャリアをスタートさせました。ABAリーグでリーグ有数の選手として活躍していた彼ですが2014年のNBAドラフトにエントリーしたものの指名はされないと決め込んでおりドラフト当日は自宅で寝ていたそうです。予想外の2巡目指名を受けたヨキッチはドラフト後1年間はABAに残り最後のシーズンにリーグMVPを受賞してNBAに挑戦することになりました。

2015~2016シーズンにデビューを果たしたヨキッチはABAリーグMVPとしての実力を発揮し、11月のスパーズ戦で23得点11リバウンドを記録したり2月のラプターズ戦には27得点14リバウンドを記録したりと最終的にはオールルーキー1stチームに選出されることになりました。

2年目のシーズンには1月のマジック戦で当時自己最多の30得点を記録、次のスパーズ戦では35得点とすぐに自己記録を更新しました。2月のバックス戦では20得点13リバウンド11アシストのトリプルダブルを初めて記録しました。この好調プレイは継続し、2月中旬のニックス戦でまた40得点とまた自身の記録を更新しました。このシーズンヨキッチはリーグで4位となる6回のトリプルダブルを記録し、この急成長を評価され、MIP投票では2位に入りました。ヨキッチ自身は順調に成長を重ねていたもののチームとしては戦力が足りずヨキッチのプレーをプレイオフで見ることはもう少し先の話になります。

2017~2018シーズン、ヨキッチはさらなる成長を見せることになりました。11月のネッツ戦で再び最高得点を更新し41得点を記録、2月のサンダー戦では29得点、13リバウンド、14アシストを記録してこのシーズン3回目のトリプルダブルを記録しチームを勝利に導き、2日後のバックス戦ではパスセンスを見せつけるプレーで17アシストを記録し、リーグの注目を集めました。このシーズンヨキッチはダブルダブルとトリプルダブルを連発し、10回のトリプルダブルを記録。チーム史上で1番のシーズントリプルダブル数を記録し、優秀なボールハンドリングとパスセンスを活かしたスター選手に成長していましたが、オールスターに選出されることはありませんでした。

翌シーズン、ヨキッチはチームと5年の契約延長をし、10月のサンズ戦でチェンバレンが記録して以降2人目のFG100%、30得点以上のトリプルダブルを記録しました。このシーズンも安定してダブルダブルとトリプルダブルを記録したヨキッチは1月のヒート戦でトリプルダブルを記録し、史上3番目の若さで通算20回のトリプルダブルを記録した選手になりました。このシーズンようやくヨキッチは初のオールスターに選出され、オールNBA1stチームにも選出されるほどの選手に成長しました。若手のジャマール・マレーもヨキッチの相棒として成長し、ゲイリー・ハリスもチームの核として欠かせない選手に成長しました。そしてヨキッチとマレーのコンビに引っ張られたチームはレギュラーシーズンを予想外の2位で突破し、プレーオフでは1回戦で経験豊富なスパーズに苦戦しながらも第7戦で彼らを下し、2回戦でブレイザーズに敗退しました。

 

f:id:koroUTAS:20211001211819j:plain

真のチームの中心への成長~優勝候補としての最終ステップ

ナゲッツの絶対的な司令塔かつリーダーとしての地位を確立したヨキッチですが、前年のプレイオフで敗退したブレイザーズのリラードのような自分が試合を決めてやるといった姿勢が見られないとの批判もありました。

そしてこのシーズン、ヨキッチはアシストでチームメイトを活かすプレーに集中するのではなく、自分を中心として得点を生み出すプレーに集中するようになり、それによってヨキッチの強みがより活かされるようになりました。11月の76ers戦で21点差からの大逆転勝利のウィニングショットを決めたり、2日後のウルブズ戦でもクラッチショットを決め試合に勝利したりと勝負強さを見せるシーンが増えました。そして得点に集中するようになったことでよりアシストしやすい状況を作り出すようになりました。2月のジャズ戦で30得点21リバウンド10アシストを記録しデマーカス・カズンズが記録して以来4年目、カリーム・アブドゥル=ジャバー以来の25歳未満の選手の30/20/10を記録しました。2年連続でオールスター、NBA2ndチームにも選出されました。

プレーオフに進出し、1回戦のジャズ戦の第7戦では78対78の接戦残り27秒で得意のフックショットで試合を締めくくり、自身は30得点・14リバウンド・4アシストを記録し勝利をもたらし、1勝3敗からの大逆転勝利をマレーと共に演出しました。2回戦ではクリッパーズとの第7戦で16得点22リバウンド13アシストのトリプルダブルを記録しまたしても1勝3敗からの復活をマレーと成し遂げ、2009年以来のカンファレンス・ファイナルに進出しました。ここではレイカーズに1勝4敗で完敗するもののナゲッツの若手チームとしての可能性が明らかになりました。

2021~2022シーズン、2月のキングス戦でキャリアハイの50得点を記録し、3月のバックス戦でチェンバレン以降センターとして2番目の通算50回のトリプルダブルを記録した選手になりました。シーズン中盤には相棒のマレーがACL断裂により残りのシーズン全休になってしまいましたが、この年急成長したマイケル・ポーターJrがしっかりと彼の穴を埋めナゲッツは3位でプレーオフに進出し、26.4点10.8リバウンド8.3アシストを平均した彼は2巡目選手としてもナゲッツの選手としても初のMVPに選出され、2000年にシャックが受賞して以来のCのMVPになりました。

レイオフ1回戦でまたしても宿敵のブレイザーズと対戦しました。このシリーズヨキッチは50-40-90の高確率で33得点10.5リバウンド4.5アシストを平均し第6戦では後半戦で27得点を記録するという勝負強さを見せてチームをマレーとウィル・バートンの2人のキープレイヤーを欠きながらも勝利に導きました。2回戦のサンズ戦では4連敗で敗退してしまいましたが、プレイオフ全体でヨキッチは29.8得点11.6リバウンド5.0アシストを平均しMVPとして大活躍しました。

まとめ

いかがだったでしょうか。ヨキッチは個人としても支配的な選手ですが、マレーやポーターJrなどの得点力の高い選手たちと一緒にプレーすることでさらに選手としての価値が高まる珍しいCです。今シーズンはマレーが戻ってくることは無さそうですが、新しくエースの座をとって活躍することになるポーターJrの成長によってはヨキッチはマレー復帰後に優勝することも十分あり得ると思います。

このブログではNBAの分析や考察をしています。NBAやバスケに興味がある方は是非引き続きお読みいただけると嬉しいです!