【チーム分析】今シーズンこそプレイオフ出場を目指すキングス

有望な若手を持て余すチーム

デマーカス・カズンズやタイリーク・エバンズなど近年のキングスは有望な若手をドラフトすることはできるものの、彼らを上手に成長させることができなかったり周りに彼らをサポートできる選手を用意できなかったりとチームを将来を担うべき才能を自ら手放してしまう運営が続き、過去20年プレイオフから遠ざかっています。

ここ数年ではディアロン・フォックスやバディー・ヒールド、タイリース・ハリバートンなどの若手とハリソン・バーンズなどのベテランプレーヤーがうまくかみ合っておりプレイオフに進出することが期待されていますがいまだに進出には至っていません。オフには数人の選手の補強をドラフトやトレードで行いました。それではこのチームは今シーズンにキングスを20年の低迷から救うことができるのでしょうか。今回はキングスの今シーズンについて分析していきます。

現在のキングスの中心

補強について分析する前に今のキングスの状態を知っておくことが今回の補強を見るうえで重要です。キングスの今の中心はスピードとIQが強みのフォックスとリーグ屈指のシューターであるヒールドです。

彼らを中心としたオフェンスは論理的にはシンプルかつ強いバスケットボールにつながるはずでした。キングスにはヒールドとバーンズ、昨シーズン加入したタイリース・ハリバートンなど多くの選手が外からのシュートを得意としていることでスペースが広がり、そのスペースをフォックスが使うという最もわかりやすいゲームを展開できる戦力が整っています。しかし同じく若手ビッグマンのマービン・バグリー3世がゴリゴリのインサイドプレーヤーであり、そのスペースをつぶしてしまいがちという問題があり、そのせいでこの若手コアは実力に対する結果がついてきていないのだと思います。

ディフェンス面でキングスを支える新人の加入

キングスはドラフトでデイビオン・ミッチェルという選手を指名しましたが、サマーリーグを見る限り彼はマーカス・スマートやパトリック・ベバリーのようにディフェンスでチームを支え勢いづけることができる選手だと思いました。そのディフェンス力は夏にアマチュアリーグで92得点を記録し大成長を遂げたペイトン・プリチャードが苦戦するほどのものであり、すでにNBAレベルでも上位のディフェンダーとして貢献できることを証明しました。

彼は大学4年生のドラフト候補生であり、すでに年齢が23歳の新人ですがフォックスやヒールドの年齢を考えると全盛期がかぶることになるのでチーム的にも年齢のリスクをとることができたのだと思います。また、4年時には3PTを40％以上で決めることができていたのでキングスのスペーシングに貢献することもできると思います。

2016年キャバリアーズ優勝の陰の功労者の獲得

キングスはトレードでボストンからトリスタン・トンプソンを獲得しました。彼はインサイドでは存在感があるプレーヤーであり、そのリバウンド力は10リバウンドを平均できるほどのものです。昨年のキングスはリバウンド数がリーグ最下位だったので彼の獲得はディフェンス力の強化とセカンドチャンスの増加と攻守両面でチームのプラスになることが予想されます。

しかしながら彼もバグリー3世と同じく外からの攻めの手段を持っていませんので、優秀なリバウンダーかつインサイドディフェンダーではありますが、キングスでは使い方に困る選手でもあります。

まとめ

いかがだったでしょうか。キングスは他にもモーリス・ハークレスやリショーン・ホームズなど優秀な選手が数人所属しています。キングスの戦力や個人の強みや能力を見ていくとプレイオフで2回戦くらいには進出できそうに見えますが、実際にチームとして彼らがうまく機能できる可能性は今シーズンも低そうです。チームの1番のリーダーのフォックスの強みがドライブであることを考えると伝統的なビッグマンをそろえる現在のキングスのロスターには疑問を感じます。彼を最大限生かすためには、ダラスのポルジンギスのような中外両方で存在感のあるビッグマンが必要になるのではないかと思います。そして結論として、今シーズンキングスはプレイオフ争いに入るとは思いますがギリギリで進出できないのではないかと予想します。

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