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【チーム分析】若手PGを集めすぎた再建中のマジック

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成長の兆しを見せる若手PGが渋滞しているチーム

チームのエースだったオールスタービッグマンの二コラ・ブーセビッチをブルズにトレードし、その相棒PFのアーロン・ゴードンをナゲッツにトレードし完全に再建モードに移行しました。マジックには現在未来のPGとしてドラフトで獲得したコール・アンソニー、76ersとのトレードで獲得した2017年ドラフトで1位指名を受けたマーケル・フルツ、ゴードンのトレードで獲得したR.J ハンプトンの3人が所属しています。

アンソニーとハンプトンに関しては年齢が非常に若く才能があることも明らかですのでこの2人を中心に据えることは間違っていないと思いますが、マジックは近い将来にフルツの扱いに困ることになると思います。では今回はマジックの今シーズンと再建の行方について分析していきます。

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再建の中心はアンソニーか

3人のPGがいるマジックですが、フルツが現在ケガをしていて今シーズンも戻ってこれるかどうかが怪しいということを考慮して、これからチームは中心をアンソニーに据えることになるのではないかと思います。

アンソニーは新人シーズンの昨年に勝負を決定づけるシュートを決めるシーンが数回あり、チームの中心となる選手として重要な「自分が勝負を決める」という精神がすでに備わっています。若さゆえの経験不足と身長が低いことが影響しており、シュートセレクションに少し難があるように思いますが、それはこれから中心選手としてボールをコントロールする中で経験を積むことで改善する可能性が高いので現時点で問題にするようなものではないと思います。

アンソニー以外の選択肢としてハンプトンとフルツを中心としていくこともあり得ますが、その可能性は低いと思います。まず、フルツに関してですが彼は現在左膝ACLの断裂を負っており、いつどのような選手として復帰するかが明確ではないので、ひとまずはベンチから起用する形になると思います。そしてハンプトンについてですが、彼はポテンシャルがあることは明らかなのですが現時点でスターターとして彼を使うにはすべての能力が不足しており、時間をかけて育成する必要があります。開花すれば最終的にはアンソニーを超える可能性は十分にありますが現在中心選手を必要としているマジックが未完成の彼を中心選手にすることはないでしょう。

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アンソニーのために必要なこと

チームがどこまでアンソニーに将来を託すことになるかはわかりませんが、彼を中心としてチームを強くしたいのであれば必要になることは明らかです。それは彼のためのスペーシングを作ることができる選手を集めることと、彼のためにシュートチャンスを作ることができるIQの高いプレイヤーです。

スペーシングを作る必要がある理由

アンソニーはNBAに入ってからシュート効率が悪く、学生時代からアウトサイドシュートを苦手としています。しかしながらフリースローの確率は83%を超えており、これから外のシュートがうまくなるポテンシャルはあります。しかし彼の強みは学生時代に見せた高い身体能力を活かしたドライブからの得点と近年のNBAでは珍しいプルアップミドルシュートです。プルアップミドルシュートについては次の項目で話しますのでここではドライブからの得点について分析します。現在チームのロスターを見ると、外のシュートがうまいと言える選手はゲイリー・ハリスだけなのではないでしょうか(リーグ平均は35%前後でこれを超えるとうまいと言われる)。

さらにビッグマンを見るとアイザック以外のビッグマンは外からの攻めができないのでアンソニーのためのスペースを潰してしまうことがわかります。このことから現在のチームではアンソニーの能力を活かしきることが難しいので、アウトサイドシュートを打てる選手を最低あと2人は欲しいところです。

頭の良い選手が必要な理由

アンソニーのもう一つの強みは前の項目で述べた通りプルアップのミドルシュートです。近年のNBAでは効率が悪いシュートとされていますが、中心選手が得意としているのであればそれは活かすべきです。そしてその強みを活かすためにはミドルレンジという少し狭めのスペースしかない場所でも余裕をもってプルアップができるようにスペースを作ってあげることができるIQの高い選手です。もちろんアンソニー自信がドライブを餌にしてプルアップを打ったり、ハンドリングを使ってスペースを作ったりすることも考えられますが、2年目の選手にそれを求めるのは少し早い気がします(ドンチッチやヤングのような選手は別として)。そのスペースを作るために必要なことはスクリーンや合わせのパスをしてあげられるサポート役です。理想的なのは全盛期のドレイモンド・グリーンのような選手です。自分よりも優れた選手の活躍を優先したスクリーンとパスをしていた彼のような選手が、アンソニーをうまくいけばネッツ時代のディアンジェロ・ラッセルのような選手にしてくれると思います。

ディフェンス面は大丈夫?

ディフェンス面での心配は少ないと思います。マジックはここ数年ディフェンスに関しては高い評価を受けていて、オフェンス力に欠けているチームだと言われていました。アンソニーは身長がかなり低くPG同士のマッチアップですらミスマッチになってしまいますが、高い身体能力でカバーすることができるでしょう。

まとめ

マジックは今シーズンはOKCサンダーと同じく若手を育てるシーズンになると思います。けが人やくすぶっている才能のある選手が多いチームなのでこの1,2年を成長の糧としてアンソニーにはスター選手としてマジックを引っ張れる選手になってほしいと思います。

このブログではNBAの分析や考察をしています。NBAやバスケに興味がある方は是非引き続きお読みいただけると嬉しいです!