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【チーム紹介】奇跡の優勝を成し遂げたベテランぞろいのチーム:2011年ダラス・マーベリックス

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NBA史上トップレベルに価値の高い優勝を成し遂げたチーム

レブロンがクリーブランドを去ってドラフト同期のボッシュとウェイドと共にマイアミでBIG3を結成してNBAを支配しようとしていた最初のシーズンに彼らの約束されていたはずの優勝を奪ったチームのダラス・マーベリックス。この年の彼らは特に優勝するようなチームとして期待されてはおらず、もう一度同じシリーズをしたら負けるだろうと言っているファンが多いチームでした。ではなぜ2011年のNBAチャンピオンのマーベリックスは優勝することができたのでしょうか。今回は2010~2011シーズンのマーベリックスについて紹介していきます。

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プレイオフに苦しんだ数年間~ベストな相棒の獲得

ノビツキーが本格的にスタートして活躍するように2000~2001シーズンからマーベリックスは安定してプレイオフに出場していたものの、2006年のNBAファイナル出場を除くと2回戦を突破できたのはたったの1回でした。チームにはノビツキーというオールNBAチームに選出されるような選手がいながらも、プレイオフで思うような結果を残すことができていなかったことをうけて2007~2008シーズンにはベテランPGのキッドをチームに呼び戻しました。このシーズンにチームはFAでケビン・ガーネットを契約するプランを組んでいましたがそれはうまくいかず、プレイオフでは1回戦でホーネッツにスウィープで敗退してしまいました。そしてこの敗退から2年間マーベリックスはプレイオフでまたしても期待外れの結果に終わり、ノビツキーへの過剰な負担を軽減することができるもう1人のスター選手の獲得が求められました。

そして迎えた2010~2011シーズン、ノビツキーはマーベリックスと4年契約を結びました。6月上旬にレブロン、ウェイド、アマレ・スタダマイアーのうち1人ををFAとして獲得しようとしていたマーベリックスはその計画を断念したのちに、ノビツキーをインサイドディフェンスで支えることができるタイソン・チャンドラーをトレードで獲得しました。チャンドラーはオフェンス面でそこまで大きなインパクトを残すような選手ではありませんでしたが、先に述べたように体を張ったディフェンスと高いブロック能力を活かしたディフェンシブアンカーとしてノビツキーのディフェンス面での負担を軽減することが期待されていました。

この補強が想像以上にチームにフィットしマーベリックスはシーズン最初の29試合を24勝5敗で終えましたが、12月27日にノビツキーは膝を負傷してしまいました。さらに不幸なことにチーム2番目のスコアラーのカロン・バトラーが4日後にシーズン全休となるケガを負ってしまいマーベリックスは次の9試合で2勝7敗の記録で終えてしまい、シーズンに暗雲が立ち込めました。

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ノビツキーの復活~プレイオフでの躍進

ノビツキーがいない間チームは低迷していきこのままズルズルいってしまうように思えましたが、ノビツキーは9試合の欠場の後に復帰し、チームはすぐに調子を取り戻しました。オフェンス面でもそこそこの強さを持っていましたが、彼らの強みはこの年オールディフェンシブ2ndチームに選出されたチャンドラーを中心としたディフェンスにあり、彼らのディフェンスはリーグでも有数の評価を受けていました。しかし、長年のライバルであるスパーズとのレギュラーシーズン中の戦いには敗れてしまい3位シードとしてプレイオフに進出したマーベリックスはプレイオフで世間の予想を上回る躍進を遂げることになりました。

プレイオフ1回戦、ファンの多くは6位シードのブレイザーズがマーベリックを破ると予想していましたが彼らは6戦でシリーズを終えて2回戦へ進出しました。2回戦では、ディフェンディングチャンピオンのレイカーズと対戦することになり、このシリーズが初めてのノビツキー対コービーのプレイオフシリーズとなりました。このシリーズは7戦までもつれるような接戦となると思われていましたが、ノビツキーの爆発的な活躍とこのシーズン終了後にシックスマン賞を受賞したジェイソン・テリーが当時のプレイオフ記録の9本の3PTを沈めるなどの活躍でマーベリックスがスウィープで勝利しました。2006年ぶりに到達したカンファレンス・ファイナルの舞台でマーベリックスは、チームとして対照的な若手軍団のOKCサンダーと対戦しました。1戦こそサンダーの若さゆえの勢いの前に落としてしまいましたが、キッドの経験豊富なゲームコントロールによって5戦でサンダーを片付けたマーベリックスはついにNBAファイナルへ進出することができました。

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ノビツキーの最強のNBAファイナルでのパフォーマンス~切望し続けた優勝

長い戦いと周囲の過小評価を乗り越えてたどり着いたNBAファイナル、相手はBIG3のヒートでした。ここまで周囲の期待を良い意味で裏切ってきたマーベリックスでしたが、さすがにBIG3のヒートには敵わないと思われており、またしても過小評価を受けていました。1戦目を84対92で落としたマーベリックスには明らかに得点力が不足しており、この状況を打破するためにノビツキーはと頼れるシックスマンのテリーにその役割を任せました。ノビツキーはこの1戦目でインフルエンザのような症状を抱えており、そういう意味でもノビツキーのバックアップは強く望まれていました。そうして迎えた第2戦、第4Qでマーベリックスは73対88の15点差を追いかける展開に陥っていましたがここから彼らは22対5のランを作ってシリーズをタイに戻すことができました。この後、3戦目ではノビツキーはゲームウィニングショットを落として負けてしまいましたが反対に4戦目では何本ものビッグショットを決めてシリーズを2勝2敗まで引っ張りました。第5戦ではこの試合からスターター起用されたJ.Jバレアが17得点、キッドが13得点、Jテリーが21得点と得点面でチームを牽引して勝利を収め、優勝を決める6戦目ではバレアが15得点、テリーが27得点とノビツキーと共にチームを背負いチームワークでヒートのBIG3を上回ったマーベリックスは、最高のアンダードッグストーリーの1つと呼ばれることになるNBA制覇を成し遂げることができました。

まとめ

いかがだったでしょうか。このプレイオフファイナルでノビツキーはチームリーダーとして26.0得点9.7リバウンドを平均してチームの優勝の原動力となりましたが、それ以外にもテリーが平均18.0得点、バレアがスターターに昇格してから平均16得点とスター選手以外が大きな活躍を残しチームとして優勝を成し遂げることができました。歴史を見てもこの年のマーベリックスを超えるようなチームとしての優勝は数少ないですし、将来的にも中々見られることはないと思います。

このブログではNBAの歴代選手や歴代チームの紹介をしています。NBAやバスケに興味がある方は是非引き続きお読みいただけると嬉しいです!