【選手紹介】2000年代前半を代表するピュアシューター:ペジャ・ストヤコビッチ(2/2)
キャリアの最終期に優勝を成し遂げた史上レベルのシューター
前回の記事ではギリシャリーグでエリートな選手として実績を重ねたペジャがNBAに入ってきた時からショータイムと呼ばれたキングスを支える重要なシューターとしてリーグに実力を轟かせたのちにキングスを去ることになったところまでについて紹介しました。今回はキングスを去ってからキャリア最終年に優勝を成し遂げるまでのペジャのキャリアについて紹介していきます。
ペイサーズへのトレード~第二のキャリア
2006年1月26日のトレードでペイサーズに移籍することになったペジャは8年間過ごしたキングスを去ることになってしまいました。しかし移籍先のペイサーズもキングスと同じく強豪の地位に長年つきながらも優勝をつかむことができていなかったチームだったため、ペジャの加入がチームを押し上げることになると多少の期待が集まりました。トレード後40試合に出場したペジャは平均19.5得点1.7アシスト6.3リバウンドを記録し、チームはプレイオフに出場しました。しかしプレイオフではペジャは1回戦のうち4試合を欠場してしまい、途中から復帰することができましたが、2勝4敗で敗れてしまいました。そしてそのままFAとなった彼は第二のキャリアをホーネッツでスタートさせることになりました。
2006年のオフシーズン中にホーネッツと5年契約を結んだペジャはキングスにいた時以来の司令塔のクリス・ポールと共にプレーすることができました。彼のアシスト能力とプレーメイキング能力はペジャの効率の高いシュートチャンスを作り出しており、移籍1年目からペジャはその得点能力を発揮しており、11月のボブキャッツ戦でキャリアハイの42得点を記録しました。非常に調子が良いスタートを切ったペジャでしたがこの年はケガによって最初の13試合のみの出場に留まりました。
そして迎えた翌シーズン、ペジャはケガから完全に復活し77試合に出場して3PT44.1%の高効率で16.4得点1.2アシスト4.3リバウンドを平均しました。そしてこの年、安定したペジャの活躍と平均得点をついに20得点台に乗せたデビッド・ウェストとポールに牽引されてホーネッツはフランチャイズ最高の56勝を記録してプレイオフに出場しました。安定した核がそろっていたホーネッツはダークホース優勝候補として見られていましたが、ダンカン・ジノビリ・パーカーのBIG3擁するスパーズに第7戦までもつれる激戦の末に敗れてしまいました。このスパーズ戦でペジャは3PTを47.8%で決めていましたが、得点面では12.9得点と大きくパフォーマンスを落とし、チームが敗北した一因になっていました。
そしてその後のシーズンもホーネッツはポール・ペジャ・ウェストの3人を中心としたチームで勝利を追い求め続けましたが、ディフェンシブアンカーとしてBIG3を支えていたタイソン・チャンドラーがマーベリックスにトレードされてしまったことでチームは再建に動き出し、その動きの中でペジャもラプターズに放出されまたしても優勝を逃してしまいました。
下火になり始めたキャリア~ついに手に入れたチャンピオンリング
そうしてホーネッツから放出されたペジャはラプターズにトレードされましたが、ラプターズでは左膝のケガによって26試合を欠場しわずか2試合の出場で解雇されてしまいました。
この時点で33歳になっており、元の身体能力が低かったためさらにその衰えが顕著に見えていたペジャを獲得しようとするチームはいないように思えましたが、マーベリックスがペジャにチャンスを与えました。
2011年の1月24日、マブズはラプターズから解雇されFAとなっていたペジャに最後のチャンスを与え、彼と契約を結びました。ペジャのパフォーマンスはキングスやホーネッツで見られたようなものではなくなっていましたが、彼のシュート力だけは落ちることがなく、この年ベンチから出てくるシューターとして使われたペジャはベテランになったキッドの老獪なプレーメイキングによって、33歳ながらそのシュート力を存分に発揮して3PTを40.0%の確率で沈めました。そしてプレイオフでも19試合に出場して18.4分の出場でFG46.5%、3PT37.7%で7.1得点と確実にチームに貢献しついに優勝を成し遂げることができました。
まとめ
いかがだったでしょうか。現代でもクリス・ポールやジェームズ・ハーデンなど実力がありながらもチームに恵まれずに優勝を達成できていない選手が多く存在します。彼らとペジャを全く同じレベルの選手として比較して話をすることはできませんが、それでも最後まで自分の可能性に挑み続けて最終的に優勝を成し遂げたペジャの功績は称えられるべきだと思います。
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