NBA Watcher 【毎週投稿】

NBAの歴代選手や歴代チームの紹介などをするブログです。

【選手分析】スロベニアの神童 ルカ・ドンチッチは何がすごいのか?

にほんブログ村 その他スポーツブログへ にほんブログ村 その他スポーツブログ NBAへ にほんブログ村 その他スポーツブログ バスケットボールへ にほんブログ村 その他スポーツブログ その他スポーツ情報へ

f:id:koroUTAS:20211204100343j:plain

ルーキーシーズンからNBAのトップレベルを駆け抜けるルカのすごさ

現在、ダラス・マーベリックスで同じくヨーロピアン選手のクリスタプス・ポルジンギスと共にプレーしているドンチッチ。彼はNBAに入ってきたその年にいきなり平均20得点以上を記録した数少ない選手の1人として歴史にその名を刻み、2020年と2021年のプレイオフで2年連続でクリッパーズと激戦を繰り広げました。そのプレイオフでも記憶に残るようなプレーの数々を披露し、間違いなく将来のNBAを背負う存在です。今回は彼のキャリアの紹介ではなく、彼がなぜここまでの選手としてNBAで活躍することができているのかについて分析していきたいと思います。

f:id:koroUTAS:20211204100919j:plain

ドンチッチのプレー面以外での強み

彼はバスケットボールの実力面ですでにリーグトップ10に入るような選手として圧倒的な存在ですが、彼の強みはそのプレー以外にも如実に表れています。

まず彼の1番の魅力であり1種の強みでもあるのが彼の人間性です。彼はヨーロッパ出身の選手によくみられる温厚な性格の持ち主です。しかし彼が普通のヨーロピアン選手と違うところはまだまだ若い現時点で試合中に吠えたり、相手選手のプレーに対して不満を示すことができるという点です。NBAというアメリカの文化が強く反映されているスポーツリーグでは、アメリカンカルチャーに順応できない選手は活躍することがかなり難しくなっています。歴史を振り返ってもヨーロッパから大きな期待を背負ってNBAに挑戦した選手の中でも、アメリカという国になじむことができずにNBAからリタイアしてしまった選手は多くいます。ドンチッチはNBAに入ってきた時から自信のあるプレーをしていましたし、ハイライトプレーの後に声を張り上げたり、審判のジャッジや相手選手のプレーに対して反論したりすることができておりアメリカのカルチャーに早くも順応することができていると思います。

2つ目の彼のプレー以外での強みはそのリーダーシップです。彼は19歳の若さでユーロリーグでMVPを獲得した選手ですが、NBAでもその実力を存分に発揮しています。しかし、ドンチッチの実力が最大限生かされているのは彼がチームの中心となってボールを触ることができているからでしょう。マーベリックスのオフェンスはルカのドライブやパスからスタートすることがほとんどであり、彼のボールコントロールが必須です。彼がここまでボールタッチを得ることができているのは彼のリーダーシップが優れており、監督陣や他のチームメートにもルカにボールを預けて大丈夫だという信頼を勝ち取ることができているという証拠でしょう。

f:id:koroUTAS:20211204104543j:plain

ドンチッチのプレー面での強み

彼のセンスあふれるプレーには多くのファンが魅了されており、バスケットボールをしたことがある人であれば彼のプレーがどれほど異次元のものであるかが理解できると思います。今回は彼の数多くある強みの中でも特にドンチッチをリーグ最高レベルのプレイヤーに押し上げているものについて紹介していきます。

1つ目の強みは彼の冷静さです。彼は同じスロベニア出身のゴラン・ドラギッチと同じようにペイント内に入った後の判断能力に優れています。彼はスクリーンを使った後にディフェンダーを背中に背負う「ジェイル」という技術を多用しますが、そのジェイル中に周囲の状況を判断してパスをするのかシュートを打つのかドライブを続けるのかを決断する能力がリーグトップクラスで優れています。ジェイルの他にはドライブ中にディフェンダーに囲まれたときのパス判断や、ベースラインやサイドライン付近に追い込まれたときに慌てることなくパスを捌くことができる落ち着きが彼のプレーを支えています。

2つ目はそのスキルレベルの高さです。ドンチッチはすでに彼を象徴する技を持っています。そのスキルとはステップバックシュートであり、彼のステップバックはハーデンのそれとは違いますが止めることが難しい技の1つとしてリーグ屈指のスキルになっています。さらに彼はフローターシュートをすでにマスターしており、1つ目の強みで紹介してジェイル後の選択肢として相手のビッグマンを超えるようなフローターを打つこともあります。また、自分で得点を取るためのシュート能力やステップスキルだけではなく、味方の得点を生み出すためのパス能力にも優れており、2019~2020シーズンには8.8アシストを平均しています。彼のパス能力は卓越したハンドリング技術から生み出される予想外のパスや、PGとしては高い身長による視野の広さを活かしたパスによって支えられています。

f:id:koroUTAS:20211204111601j:plain

ドンチッチの弱み

ここまでドンチッチの強みだけにフォーカスして紹介してきましたが、彼は現時点ではレブロンほど万能な選手ではなく明らかに弱みとして捉えられているものがあります。

1番の大きな弱みは彼のディフェンス能力です。決して弱いディフェンダーというわけではありませんが、圧倒的な1番手の選手としてはディフェンス力がかなり低いです。オフェンスで彼の負担がかなり大きいのでディフェンスでも頑張れというのは酷かもしれません。しかしいずれマブズが完全な優勝候補となった時にドンチッチのディフェンス力が今のままであれば、それは1on1が時に重視されるプレイオフではチームにとって致命傷になりかねません。

2つ目は弱みというよりもドンチッチに対する不安要素と言った方が正確かもしれませんが、彼は少しケガをしやすい体質であるかもしれないということです。最近では特に2020年のケガが記憶に残っており彼はシーズン途中に足首のケガで欠場をしており、プレイオフでもそのケガを抱えて戦っていました。そして今シーズンの11月にもナゲッツ戦で接触によってまたしても足首をケガしてしまいました。ここからわかるように彼は足首のケガを負いやすいことが予想され、関係ないかもしれませんが後々ステップを駆使する彼のプレースタイルに影響してくることをあるかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回はドンチッチの強み弱みについて紹介しました。彼は明らかに今後のNBAを背負っていく存在であり、彼には大きな期待がかかっています。弱みの点でも紹介しましたが、特に足首のケガに気を付けて長い期間にわたってベストプレーヤーの1人としてリーグを支配してほしいと思います。

このブログではNBAの歴代選手や歴代チームについて紹介しています。NBAやバスケに興味がある方は是非引き続きお読みいただけると嬉しいです!