NBA Watcher 【毎週投稿】

NBAの歴代選手や歴代チームの紹介などをするブログです。

【選手比較】レイ・アレン VS レジー・ミラー

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歴代最高を争った2人の名シューター

ステフィン・カリーがシューターとして覚醒し、1シーズン402本の記録を打ち立て名実ともに歴代最高のシューターとして認知されるまで、歴代最高の座を争っていたアレンとミラーですがこの2人は比較することが難しい2人です。確かにミラーは3PTシューターとしてオフボールの動きを重視し、効率が良い3PTを実現した史上初のシューターですが、アレンはミラーの生み出したものをすべてマスターし、なおかつ身体能力がミラーよりは高く、ディフェンスなどその他にもできることが多かったプレイヤーです。今回は総合的に2人を評価し、どちらが選手個人として上なのかを考えていきます。またこの比較では平等に選手を評価するためにそれぞれの能力や強みに関して、すべて最高だったと思われる時期のものを別々に組み合わせて評価をしています。

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レジー・ミラーの強み・弱み

ミラーはペイサーズでキャリアのすべてを過ごした選手であり、ジョーダンに優勝を阻まれ続けた選手です。優勝こそ達成することはできませんでしたが、そのシュート力と勝負強さは本物であり、歴代プレイでも絶対といってよいほどの頻度で紹介される9秒で8得点を取った人物です。そんな彼の強みと弱みをここで分析していきます。

強み

ミラーの強みはなんといってもそのシュート力と度胸です。ミラーは50-40-90を達成した選手の1人であり、またそれに近い数字を何度も記録している選手です。FG50%以上を4回、3PT38%以上を12回、FT90%以上を8回達成しており、キャリア全体でFG47.1%、3PT39.5%、FT88.8%で18.2得点を平均し、非常に効率が高い得点を生み出していた選手です。彼のシュート力とオフボールムーブを組み合わせた独自のスタイルは時代より進んだもので、それゆえ彼は徹底マークをものともしないシューターとして1時代を席巻していました。

また、先に紹介した9秒で8得点を記録したときの「チョークサイン」は非常に有名で、それ以外にも彼はチームを勝利に導くゲームウィニングショットを決めており、勝負強さという観点でも歴代屈指の選手です。

弱み

シュート力に圧倒的な強みを持っているミラーですが、弱みは近現代の選手としてはかなり致命的なものです。彼は身体を見ればわかりますが、非常に線が細くフィジカル面で不利になることが多い選手でした。また、身体能力も高いわけではなく、それゆえミラーはディフェンス面でプラスになることは少ない選手でした。ポジション上の理由でジョーダンやドレクスラーなど当時のSGにはスキルがあり、身体能力が高い選手が多かったので、ミラーの弱点は時代にも後押しされ、かなりの穴となっていました。

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レイ・アレンの強み・弱み

ミラーとは対照的に、合計4チームを渡り歩いたアレンはそれぞれのチームで重要な役割を与えられており、その役割に応じて自分を変えることができた優秀な選手であり、歴代最高レベルのシューターです。ミラーと同じく彼もオフボールの動きと勝負強さに長けており、特に彼の印象的なシーンは「2013年プレイオフの同点3PT」です。

強み

彼の強みはミラーと同じく圧倒的なシュート力と勝負強さが印象に残っていますが、ミラーと違う強みがあり、バックスとソニックスでエースを張っていた時のアレンは身体能力にも長けていました。アレンはキャリアで1度も50-40-90を達成したことがなく、FG50%以上を記録したこともありませんが、3PT90%以上を12回、FT90%以上を11回記録しており、特にFTに関しては95.2%を記録した年もあります。キャリア平均ではFG45.2%、3PT40.0%、FT89.4%とFG以外の点では若干アレンの方が上回っています。アレンが活躍した時代ではオフボール対策やシューターへの意識が高まっていたことからもミラーよりもプレッシャーがかかることが多かったことから実際ミラーと比較する際にはどうしてもミラーの方が不利になってしまいがちです。

また、先に紹介したようにアレンは試合を決めるシュートを打つことが多く、普通のゲームウィニングショットだけでなく、遠い位置からのシュートや激しくプレッシャーがかかっている状態からのシュートが多かったことからもアレンの勝負強さがわかります。

更にアレンはボストンに来るまでのチームで身体能力を活かしたダンクやディフェンスを得意としていた選手でもあります。ディフェンシブチーム選出やダンクコンテスト優勝はありませんが、good-defenderとの評価とダンクコンテスト選出をエースとして活躍していた時期には受けています。

弱み

アレンのキャリア通しての弱みは特別目立つものがあるわけではないと思いますが、あえて挙げるのであれば、セルティックス加入後は身体能力が落ち、ディフェンス力が平均以下になっていました。

また、体幹が弱かったのかフロップをしていたのかはわかりませんが少しの接触でバランスを崩すことがあり、ソフトな印象が残ります。加えて、セルティックスではシューターとしての役割に徹しすぎた余りにドライブに消極的になり、他の選手たちの負担が増えていたことがマイナスです。

まとめ

いかがだったでしょうか。アレンとミラーを比較してきましたが、強みと弱みが共通したものが多く、ミラーにない強みを持っているアレンの方が個人としてもチームプレイヤーとしても少しだけ優秀な気がします。しかし、シューターとしてどちらが上かという話になれば、現代シューターの基盤を作った選手ということもありミラーの方が上になると思います。

このブログではNBAの分析や考察をしています。NBAやバスケに興味がある方は是非引き続きお読みいただけると嬉しいです!